“待つ指導”を探る 横浜市が幼保小接続研修会

授業の感想を参観者同士でシェアして理解を深めた
授業の感想を参観者同士でシェアして理解を深めた

横浜市教委は、同市立平沼小学校のスタートカリキュラム公開授業を交えた幼保小接続期研修会を4月22日、同校と同市の西公会堂で開いた。授業を振り返りながら、参観した教員が幼保小連携スタートカリキュラムの意義や視点を話し合った。系統性あるカリキュラムマネジメントのポイントと、子どもを“待つ指導”の悩みを話し合いながら、より良い学びの在り方を探った。

同カリキュラムは、幼稚園や保育園での遊びや活動を小学校入学期の学びに円滑につなぐ取り組み。「幼小期の活動や学びが、その後の学校教育や大人としての成長につながる」を軸に、安心して自分を発揮し、学校や学級の新しいルールを受け入れて、みんなと楽しく過ごせる子どもを育てるのを目指す。

同校では、子どもたちが主体性を発揮できるよう、一人ひとりが有能な学び手だとの基本姿勢に立ち、子どもの丁寧な見取りと待つ指導姿勢を重んじる。朝のあいさつでは、教師が決めた杓子定規な返答を交わすのではなく、それぞれの子どもが体調を自分の言葉で簡潔に伝え合うやりとりが生まれている。歌や読み聞かせでクラスメートとふれあいながら、互いに安心感を育む「なかよしタイム」、生活科や教科との接続を踏まえ、学校探検などで自主的に調べ学習を深めていく「わくわく、ぐんぐんタイム」の実践を公開。研究会で参観者と意見交換やワークショップを行った。

幼保からは、「園ではグループ活動を重視し、充実しているが、スタートカリキュラムの視点から、継続性の中で、小学校のグループ活動の意味や様子を見つめられて良かった」と喜びの声が上がった。

教室環境では「みんなと仲良くするのを重んじ、複数テーブルを寄せて進めるグループ活動から、個々の学習を重んじ、机を正面に向ける学びの切り替えはどう考えればよいか」といった質問があった。「子どもの思い思いの学びを、教師はどのように見つめ、許容していけばよいのか」という悩みも出た。

同校の教師からは「子どもの多様な学びや変化を受け止める中で、戸惑いや悩みを抱えるのはしょっちゅうある」と強調。それでも「『待つ』姿勢を大事にしながら、子どもの考えや思いに丁寧に寄り添い、活動や学習展開を柔軟に変動させている」と回答した。

待つ指導の悩みへの助言では「待つ姿勢によって、子どもの行動や思いがよく見えるようになった。そこから柔軟な働きかけや支援ができるようになり、待つ指導の楽しさが感じられるようになった」と話す。

文科省の田村学視学官は「ただ無自覚に『待つだけ』の指導はだめ。子どもたちの状況を見つめながら、個々の主体性が発揮されやすい学習状況や環境を判断し、創り出すのが大切」などとアドバイス。「子どもが主体的に考え、活動できるようになると教師も指示の労力が軽減し、子どもを丁寧にゆとりをもってみつめる状況が生み出される」とした。

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