教科書謝礼問題 行動規範案を文科省に提出

教科書発行22社の社長に対し、再発防止を求める馳文科相
教科書発行22社の社長に対し、再発防止を求める馳文科相

教科書発行会社が検定中の教科書を教員らに見せて意見を聞き、謝礼を渡していた問題で、(一社)教科書協会が、調査員などの採択関係者に不当な利益供与を禁止する教科書発行者行動規範案をまとめた。4月27日、同協会の会長を務める鈴木一行大修館書店社長が、義家文科副大臣に手交した。その後、文科省を訪れた22社の義務教科書発行会社社長が、馳文科相に対して、再発防止を誓った。

行動規範案では、採択関係者に対して、採択期間中にかかわらず、金品などの不当な利益供与の禁止を盛り込んだ。検定期間中は、同省に提出した著作編集関係者名簿に記載された教科書の執筆者、編集協力者以外には申請本を閲覧させてはいけないとした。採択期間中では、採択関係者に法定見本以外の見本本を献本、貸与するのも禁じた。

違反した場合は、同協会のホームページに会社名と事実内容を掲載するなどの制裁措置をとる。

ただ、検定期間や採択期間以外の時期であれば、教員らから意見聴取できると明記。適切な対価を支払わなければならないとした。

同協会は再発防止に向けて、不適切な行為があった場合に通報・相談する窓口を設置する。

馳文科相は、教科書発行22社の社長に「襟を正してもらいたい」と呼び掛けた。

これに対して鈴木大修館書店社長が「こうした行為により教員の方々にご迷惑をかけた。失った信頼を早く回復させたい」と謝罪した。続いて各社の社長がそれぞれ陳謝した。

文科省は同日、教科書発行会社に教科書採択の公正確保に関する通知を発出した。今年度は高校教科書と小学校の「特別の教科 道徳」の検定が実施される。また同様の不適切な行為が発覚した場合は、同省のホームページに社名と内容が公表するとした。

また手交した「行動規範」にいまだに「案」が付いているのは、意見聴取などへの対価の基準について、公取と調整中であるため。それ以外の、協会としてできる内容は、全て盛り込んだとしている。公取との調整が終われば、「案」が取れる。

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