教育機会確保法案が了承 連休明けに国会提出へ

会合には馳浩文科相も出席し「国会提出後のさらなる肉付けを」と要請した
会合には馳浩文科相も出席し「国会提出後のさらなる肉付けを」と要請した

超党派フリースクールと夜間中学等義務教育拡充の両議員連盟は4月28日、国会内で総会を開き、不登校児童生徒を支援するための法案について共産、社民以外の党から了承された。連休開けの5月上旬には、国会に提出する見通し。

ただ、理解が得られなかった政党に配慮し、付帯決議に意向を盛り込むとした。

賛成した自民、公明、民進、大阪維新の会の四者が議員立法として共同提出する。共産、社民は「議論が尽くされてない」と最後まで反対した。

提出される「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案」は、「休養の必要性」を明記した。これによって、いじめや生活習慣上の問題などで学校に通えない児童生徒の欠席を認めるよう促した。状況に応じて学習支援をする規定も入れた。

国と地方公共団体には、不登校特例学校の設立や学習支援ができる教育支援センターなど教育施設の充実を明示した。それに係る財政措置も国と自治体に要望した。

文科大臣には、不登校児童生徒支援のために基本指針を定めるよう求めた。文科省では現在、有識者会議でフリースクールの在り方などを検討している。

このほか、夜間中学の充実も盛り込まれた。

付帯決議には、子どもの意思を尊重することや不登校が問題行動として切り分けられるのではとの懸念に配慮した規定を入れる予定。法案提出前に立法チームを開き、議論する。

この日の会合に出席した関係団体の反応はさまざまだ。

不登校・ひきこもりについて当事者と語り合ういけふくろうの会の伊藤書佳代表は法案に反対する。「まずは学校の制度自体を見直さなければならないのに、不登校の子どもたちをどうするかを考えている。それは間違いだ。議連には子どもたちの生の声を聞き、法案に反映させてほしかった」と話す。

一方、フリースクール東京シューレの奥地圭子代表は「一歩前進して、ほっとした。休養の必要性を明記した点については、無理に学校に行っている子どもたちも、休むことで精神的にも肉体的にも不安が取り除かれる」と述べた。夏休み明けに自殺者が増える現状にもふれ、「子どもたちの命を守ることができる」と期待を寄せる。

同法案は、今国会での法案提出にめどがついた。だが、ここに至るまでには時間がかかった。各党手続きが長引いたからだ。その原因は、フリースクールなど学校以外の学習を“義務教育とみなす個別学習計画”が盛り込まれていたからだ。与野党とも「これでは、フリースクールで学ぶのが常態化し、学校復帰が遠のく」「フリースクール側としては、自由な学習ができなくなる」などの異論が噴出していた。