小学校6年生と中学校3年生を対象にした全国学力・学習状況調査について、文科省は、点数を上げるために過度な対策を指示している教委があるとして、学力調査の趣旨を確認するよう、全国の教委に向けて通知を発出した。
学力調査は、結果の傾向を授業に生かして指導改善に生かすのが本来の目的。
同省によると、教委からの指示を受け、実施直前に授業で集中的に過去問を解かせているとの情報が教員から同省に寄せられていた。
通知によれば、各教委に対して、学力調査の趣旨と目的を学校現場に深く浸透させるよう求めた。
さらに同省では、全国の教委担当者が集まる会議や校長会などでも、趣旨を周知徹底させるとしている。
4月20日の会見で馳浩文科相が「成績を上げるために授業中に過去問題を解かせているのであれば、本末転倒である」と憤っていた。
学力調査室では、「指導改善のために、国研が出している授業アイディア例などを生かして、学力調査の過去の問題を一部取り上げるのはよい。だが、点数を上げるために、授業で集中的に対策をとるのは行き過ぎ」と説明する。