被災児童生徒の心身サポートに役立つ冊子 キッズドア

「子どもの心に寄り添って~被災した子どもの心のケア」の表紙
「子どもの心に寄り添って~被災した子どもの心のケア」の表紙

NPO法人キッズドアは、熊本地震など被災児童生徒の心身のサポートに役立つ冊子「子どもの心に寄り添って~被災した子どもの心のケア」のPDF版を、同法人サイトで公開している。熊本市の子ども文化会館で同冊子の要望と活用が進んだのがきっかけ。

冊子は、被災に伴う子どもたちの不眠や無気力、イライラ、不安などとどのように向き合い、対応するか、漫画を織り交ぜて分かりやすくヒントを示す。

「夜眠れない」への対処では、子どもが抱える「目が覚めたら、みんないなくなっちゃう気がする」という不安感を説明。その上で、まず親自身が落ち着き、子どもの不安な気持ちがどこから来るのかゆっくり聞いてみようとアドバイス。

高校生にもかかわらず「母親と一緒に寝たい」と訴える場合の対応では、「横に布団を敷いて一緒に寝てあげればよい」と指摘。子どもは「寝てる間に地震が来るかも」「自分が元気に周りを助けなきゃ」など、不安と気負いが絡み合った状態でいる点を解説する。そして「眠れなければ眠くなるまで起きていれば、そのうち眠くなるよ」という、ゆったりした気持ちと言葉がけをしていく例を挙げる。

どんな場面でも共通する関わりの視点では、▽あせらない▽あきらめない▽あるがまま――の3点を強調。子どもの気持ちを受け止める際の大前提としては、「人格のある一人の人間として尊重する」「哀れみではなく、子ども自身の生きる力を信じて寄り添う」を示す。

子どもとの関わりの心がけでは、▽子どもの気持ちをくみ取り言葉にする▽そっと側にいるのが必要な場合も▽子どもがしたい遊びを尊重し遊びに寄り添う――といった点を取り上げる。

逆に、避けたい行動や言葉として、▽子どもに無理に被災の話をさせない▽子どもを無理に遊ばせない▽子どもを誹謗中傷する言葉を言わない――などを挙げて注意を喚起する。

この冊子は、東日本大震災の時に、子どもの心身の支援に役立てようと作成されたもの。このたびの熊本地震でも、大いに役立ちそうだ。自然災害が起こってからではなく、防災教育の視点からも、教材として活用できる。

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