休眠預金で給付型奨学金創設を 賛同署名を募る

「財源はある」と訴え子どもたちの学びと未来を励ます
「財源はある」と訴え子どもたちの学びと未来を励ます

子育てや教育支援のNPO団体などによる「『全ての子ども達に学ぶ機会を!』キャンペーン」事務局は、貧困に苦しむ全ての子どもたちの進学や人生の希望をつなぐ給付型奨学金を実現させようと、今月末まで、Change.orgのキャンペーンページで、同奨学金創設の賛同署名を募っている。

5月9日、関係団体の代表が文科省で会見し、子どもの貧困の課題と改善に向けた給付型奨学金の必要性などを説明。署名を訴えた。

認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事は、「子どもの貧困が拡大する中で、日本の奨学金の大半が貸与型。これでは、子どもたちが学校を卒業後、非正規雇用になった場合、重い負債を抱えてしまう。そのため、子どもが学びたくても進学をあきらめざるをえない状況がある」と指摘。さらに、全国学力調査の分析などを踏まえ、「親の経済格差が、子どもの学力や経済格差に反映している。これは経済成長にも悪影響を及ぼす」と問題性を強調した。

この問題を改善していく一つの手立てが「給付型奨学金の実現」だとし、財源として休眠預金を活用するアイデアを提案。10年間放置された休眠預金額は、毎年約1千億円にもなる。多くが永久休眠してしまうこの預金の1割に当たる100億円が使えれば、例えば、1万人の子どもに年間100万円を奨学金として給付できると試算する。

NPO法人キッズドアの渡辺由美子理事長は、成長に応じた子育て費用と児童手当の関係から、「貧困の連鎖を断ち切るには、高等教育に進めるかが重要。しかし、日本は大学や専門学校に高額な学費がかかる上に、児童手当が打ち切りになるため、貧困家庭の子どもの多くが進学や希望校をあきらめる状況を生み出している」と問題点を話す。

さらに、「投資効果の点からも、高等教育進学時の支援が重要。諸外国は高等教育の学費が無料、低額で、奨学金が充実している。これに対して、日本は学費が高く奨学金は貧弱」とし、「低所得家庭を理由に優秀な子どもたちが進学や人生をあきらめる状況を生み出さない社会を作りたい」と願いを語る。「賛同者はSNSやホームページ、メールマガジンなどで署名を積極的に呼び掛けてほしい」とも。

期間中に、5万人の署名をめざす。署名は菅義偉官房長官に届け、同奨学金創設の強力な後押しにしたいとしている。