無線LANを全国の学校に 来年度概算要求で検討開始

総務省は平成32年度までに、全国すべての小・中・高校に無線LAN(Wi-Fi)を導入するため費用の一部を来年度概算要求に盛り込む検討を始めた。音声や動画などのコンテンツをタブレット端末に収載した「デジタル教科書」の普及を加速させるのがねらい。さらに災害時の避難所となる学校で、ネット環境が整えばインターネットやメールが使えるようになる。

同省は無線LANに必要なルータの設置費用について5割補助を想定。携帯電話会社が国に納めている電波利用料を財源に充てるとしている。

対象は国公私立の小学校2万1千校、中学校1万校、高校5千校。教室だけでなく、職員室や体育館でもネットがつながるようにする。

文科省の調査による27年3月現在、小・中・高校の校内LAN整備率は86.4%。このうち無線LANは27.2%に留まる。

文科省の有識者会議は32年度に「デジタル教科書」の導入を提案した。ただ、正式な「教科書」にするためには法改正のほか、端末の代金は誰が支払うのかなど課題が山積している。

同省の担当者は「総務省の方針は歓迎している」と語る一方で、「子どもたち自身のスマホでネットに接続する可能性がある」と管理の重要性も指摘する。

校内無線LANを拡充するねらいの一つには、災害時の情報手段の確保がある。地震などの影響で携帯電話の基地局が被害を受けた場合に、避難所としての機能をもつ学校で、安否確認や支援物資の情報収集の確認も可能となる。

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