ノーベル平和賞受賞者が講演 困窮の子らに教育投資を

サティヤルティ氏は「教育に投資を」と各国に向けて訴えた
サティヤルティ氏は「教育に投資を」と各国に向けて訴えた

G7教育大臣会合開幕に先立ち、公開シンポジウム「The Power of Education~教育の力で未来をつなぐ~」が5月14日、倉敷アイビースクエアで開かれた。2014年にノーベル平和賞を受賞したインドの人権活動家カイラシュ・サティヤルティ氏が講演し、教育を受けられない子どもの悲惨な現状を語った上で、「政府や企業が教育に投資することで経済効果が大きくなる」と強調。各国代表らによるパネルディスカッションでは、特別支援教育や子どもの貧困などの支援を訴えた。

サティヤルティ氏は「教育の力―世界中のすべての子どもへの教育の必要性」をテーマに講演。

はじめに、世界各国で起きている学校を標的にしたテロ事件の現状を語った。その上で「教育の力を理解していたからこそ、テロリストは殺りくを繰り返している」と述べた。

ドイツの難民キャンプで会ったシリア難民の少年にふれ、「彼は『勉強して母国に戻りたい』と言っていた。教育は希望を生み出す」と強調。教育投資に関しては「各国の国際機関が連携し、教育基金を創設してほしい」と求めた。また「教育こそが大きな力を生み出す」として、国や企業に支援を求めた。

各国に向けては「初等教育に1年間通学するだけで所得が15%、中等教育は20~30%上がる」と経済効果について説明した。

さらに「教育大臣だけでなく、ほかの省庁間と連携し、国レベルで教育を考えないといけない」と語り、世界の子どもたちに教育を提供する重要性を訴えた。

パネルディスカッションでは、G7やユネスコ、OECDでの多様な教育をテーマに、意見が交わされた。

アメリカのマウリーン・マクローリン教育長官上級顧問は、「優れた教育には優れた教師が必要だ」と述べた。児童生徒の半数がアフリカ系やアジア系、ヒスパニック系などで占められている現状を報告した上で、「これらの系の教員は全米に18%しかいない。こうした人々の教員養成に注力しないといけない」と考えを示した。

イギリスのニッキー・モーガン教育大臣は「教育の質を上げていく」と述べ、女性や特別な支援が必要な子どもたちにも手厚い支援が必要だと話した。

貧困についてOECDのガブリエラ・ラモス事務総長補佐官は「すばらしい人生を送るには教育が不可欠。社会的、経済的に考えないといけない。さらに世界平和についてどう貢献できるか検討する必要があるのではないか」と問題提起した。

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