学習・生活面で少人数学級に効果 現状と課題を調査

「学力の底上げが図られる」「基本的な生活習慣が身に付く」など、少人数学級の学習・生活両面での効果を、大半の自治体が挙げていた。これは、全国都道府県教育長協議会が実施した「少人数学級推進のための現状と課題について」の調査への回答。調査は、昨年9月から10月にかけて、全国47都道府県教委を対象に行われ、全自治体から回答が寄せられた。

文科省の教員定数拡充に係る概算要求に対して財務省は、少人数学級でもいじめや不登校は減っておらず、効果が明確でないと反意を示してきた。そこで同協議会は、改めて少人数学級の効果や課題を探った。

それによると、小2では46県が国の標準を下回る少人数の学級編制を実施していた。小3、4では5割半ば、小5、6では4割の自治体が標準を下回る学級編制だった。中学校でも、中1で8割、中2、3で4割が下回っていた。

学習面の効果として挙げられたのは、児童生徒については、▽発表・発言の機会が増えて積極的な授業参加が可能となる▽学力の底上げが図られる。教員については、▽理解度や興味関心に応じたきめ細かな学習指導ができる▽課題に応じた個別指導の充実が図られる▽担任の目配りや気配りがしやすくなる。

特に、積極的な授業参加と目配り・気配り、学力の底上げは、8割の自治体が、効果があると回答していた。

生活面での効果は、児童生徒について、▽基本的生活習慣がつく▽良好な人間関係づくりができる。教員について、▽各学年独自の問題に対応できる▽配慮を要する子どもにきめ細かに対応できる▽いじめ等に対するきめ細かな対応ができる▽保護者や家庭との連携が密接になる―ーなど。

少人数学級編制を進める上で、課題があるとした自治体は39県。その内容は、▽特別支援や生徒指導等、各校の個別課題に応じて配置できる教員が少なくなるが22県で最多。そのほか▽国の加配定数の不足と県単費で教員を配置する場合の財源確保▽教室の確保など施設・設備の整備――などが挙げられた。

また36県が、学校として課題があると回答。内容は、▽担任を務められる教員の確保(18県)▽習熟度別学習や特別支援、生徒指導など学校として他の望ましい使い方がある(15県)。そのほか▽少人数学級編制の学年から通常編制の学年に進級した際に、集団が大きくなるのに伴う環境変化に対応できない児童の存在とそれに対する指導―ーなど。

加配教員の活用に関しては、少人数学級編制と少人数指導の選択の裁量が学校にあるが21県、ないが26県。あるとした県のうち13県が、学校に全部の裁量を与えており、8県が一部を与えていた。

同協議会は調査まとめで、「課題も多く指摘されているが、少人数学級には、学習・生活の両面で成果が見られる。教員が子どもと向き合う時間を確保し、学習・生活両面の成長を図る観点から、少人数学級編制を引き続き推進し、財源確保に向けた取り組みを進めていく必要がある」と訴えている。

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