小中との連携求める 高校社会科新科目

高校社会科新科目について発表された
高校社会科新科目について発表された

日本学術会議は5月16日、文科省で高校社会科の新科目に関する提言を発表した。

提言は、▽「歴史総合」に期待されるもの▽18歳を市民に/市民性の涵養をめざす高等学校公民科の改革――の2つ。同会議会員が趣旨や背景などを説明した。

久保亨信州大学人文学部教授は、高校での「歴史総合」に対して「小学校と中学校の歴史教育との連携が必要」と述べた。

昨年から中教審では、新科目「歴史総合」(仮称)開設に向けて論議を進めてきた。論議では、「世界史」と「日本史」を総合した新しい科目の設置が重要であるとされた。グローバル化が進む現在、生徒が、現代世界と日本の過去・現在・未来を主体的・総合的に考えていける教育が必要とされ、その観点から、新科目が求められた。

留意点として、教員養成と現職研修の重要性を挙げ、教材準備にも力を入れていく意向を示した。大学入試での「歴史総合」科目の位置確立も目指す。

これについて久保教授は「小中で連携していかないと、高校からついていけなくなる生徒が出てくる」と懸念の声を上げ、小・中・高校での歴史教育の連携を求めた。

また中教審では、平成34年度から学年進行で実施される次期の高校学習指導要領に向けて、公民科での新科目「公共」(仮称)の新設が検討されている。18歳以上へと選挙権年齢が引き下げられ、主権者教育の必要性が強く求められている現状が背景にある。また市民性育成のため、高校の公民科に新科目を設置し、他教科および特別活動、総合的な学習との連携を求めた。

小玉重夫東京大学大学院教育学研究科教授は「高校生が自分の問題意識に沿って政治活動を行っていけるように、積極的な指導を行っていく必要がある」と述べた。

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