経済・教育格差が論点に 教育振興基本計画部会

子どもの貧困について議論された
子どもの貧困について議論された

中教審は文科省で5月17日、教育振興基本計画部会の第4回会合を開いた。平成42(2030)年以降の社会の変化を見据えた教育の目指すべき姿、子どもの貧困など格差への対応について議論した。

近藤弥生東京都足立区長は「経済格差が教育格差につながる」と述べ、経済的に困窮している子どもへの支援を求めた。

42年とは、教育課程企画特別部会の「論点整理」が「2030年の社会と子供たちの未来」を見据えて打ち出されたのを受けた形。

30年度から34年度までの「第3期教育振興基本計画」の諮問では、これからの時代の教育に求められるものとして「主体的に判断し、多様な人々と協働しながら新たな価値を創造する力を、あらゆる教育段階を通じて身に付けること」が挙げられ、人口減少の克服や地域コミュニティの創出、地球規模の課題への対応のカギとなるよう期待されている。

現在進行中の第2期教育振興基本計画(25~29年度)での教育の基本的方向性としては、▽社会を生き抜く力の養成▽未来への飛躍を実現する人材の育成▽学びのセーフティネットの構築▽絆づくりと活力あるコミュニティの形成――が掲げられている。「生きる力」の確実な育成やいじめ、不登校、高校中退者の状況改善などが成果目標。

これらを受けて会合では、特に、子どもの貧困など格差への対応について議論された。

日本の相対的貧困率は平成15年から上昇し続けている。平成24年の相対的貧困率は全体で16.1%、子どもが16.3%、ひとり親の現役世帯(世帯主が18歳以上65歳未満)では54.6%となり、厳しい状況にある。また世界と比較しても日本の相対的貧困率はOECD34カ国中29位。子どもの貧困率は25位だが、ひとり親世帯では33位となっている。家庭の経済事情による子どもの進路への影響についても、家計所得が高いほど、高校生の4年制大学への進学率が高くなっている。

こうした現状について委員からは「学校と福祉のより密接な連携が必要」「教育面での格差が大きくなっているが、子どもたちの平等な教育以前の問題がある。生活面での支えも考えていくべき」との声が上がり、子どもたちが家庭環境にとらわれずに教育を受けられるような対策を求めた。

近藤区長は「経済格差が教育格差につながる。経済的に困窮している子どもへの影響を緩和するものを考えていくべき」と述べた。

また白井智子特定非営利活動法人トイボックス代表理事は「先生ひとりで学級や学習、保護者のすべてに対応するのは無理な時代」とし、発達障害などの課題のある児童生徒を支える専門職の採用を増やすよう提案した。

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