大阪市小6男児へのいじめ あったと第三者委が認定

大阪市の市立小学校で平成26年、当時6年生だった男子児童が、重大ないじめの被害を受けているにもかかわらず、学校の対応が不十分だったとして、児童の保護者が調査を求めた問題で、第三者委はこのほど、「いじめ」があったとの報告書を市に提出した。

報告書の中で第三者委は、4件の事実について「いじめ」と認定し、担任や教職員の対応が不十分だったとしている。

4件は、当該児童がプールで他児童から押したり蹴ったりされた「プール事件」「服が隠された事件」「殴打事件」、教室に貼られていた集合写真で、当該児童の写真に傷がつけられた「写真が傷つけられた事件」。

この他にも、「いじめがあったとうかがわせるような状況はあったと考えられる」としている。

また学校と教委の対応にも言及しており、教職員が、初めは「けんか」と認識して指導していた点、その考えは「プール事件」や「服が隠された事件」などが起こった後も、教職員の間で根深く残っていた点が記されている。

このため学校側はいじめとして捉えられず、問題に対して事後的な対応しかできなかったとした。

当時、同校には、さまざまな問題を抱え、精神的に不安定で感情を制御できず、学習に集中できない児童が多かった。また当該クラスでは、過去には、児童の暴力により教師が入院する事態も生じていた。

そのような中でも、クラスの指導は担任だけに任されており、他の教師や管理職との連携は取り難かった。児童の問題行動が多発するため、いじめ行為として、緊急で徹底した対策をとるべき事案かどうかを見極められない状態であった。

市教委は当初、同校に対する指導助言など間接的な関わりだけで、事態の悪化に伴い、保護者と直接面談するなどで対応した。第三者委はこの対応について、「問題が深刻化して本児童が不登校になる前の段階で、当該校による適切な対応、教委と連携した取り組みがなされる必要があったものと考えられる」としている。

報告書では、「いじめ防止に関わる教育実践の課題」として、学校は問題が発生した初期段階で、指導・支援を丁寧に行い、関係修復や上手な距離の取り方への支援を行うこと、教員がいじめ問題にチームで取り組むことを提言している。

また「いじめ防止のために教委として何をなすべきか」として、「問題を抱えた児童が多く在籍する事例では、副担任の配置を含めて教職員の増員を図ること」「スクールカウンセラーとソーシャルワーカーの増員、早期派遣」など、教職員の負担軽減に努めるなどを挙げている。

同市は報告書を受け、「市としては、この報告書を真摯に受け止め、厳正に対処していく」と述べている。

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