一億総活躍プラン案まとまる 給付型奨学は検討

国民会議終了後に会見を開きプラン案の内容について説明する加藤一億総活躍相
国民会議終了後に会見を開きプラン案の内容について説明する加藤一億総活躍相

「戦後最大の名目GDP600兆円」と「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」の新3本の矢の実現を掲げた一億総活躍国民会議が5月18日、ニッポン一億総活躍プラン案を取りまとめた。与党内手続きを経て、政府は今月31日に閣議決定する方針だ。教育分野では、初等教育段階でのIT人材育成や、学校復帰を目指した不登校対策、フリースクール支援などが盛り込まれた。目玉政策になると期待されていた給付型奨学金は「検討する」との文言に留まった。

案では、給付型奨学金に関して「世代内の公平性や財源などの課題を踏まえて検討」とした。政府としては、今年12月には一定の方向性を示す予定だ。与党である自公は給付型奨学金の創設を求め、安倍晋三首相に提言を手渡している。

文科省は4月に給付型奨学金検討チームの初会合を開いた。座長を務める義家弘介副大臣は終了後「5月に取りまとめられる予定の『ニッポン一億総活躍プラン』に向け、検討を進めたい」と述べていた。だが、具体的な案は同プランに反映されなかった。

会議終了後の会見で加藤勝信一億総活躍相は「文科省の案も取り入れて政府としていろいろと議論していく」と説明した。

また名目GDP600兆円の実現に向けてIT人材の育成の重要性を訴えた。AI(人口知能)やロボットの普及などによる「第4次産業革命」に対応するために、小学校段階でのプログラミング教育の必修化を求めた。今年度中には、「第4次産業革命人材育成推進会議(仮称)」を立ち上げ、求める人材像について検討する。平成32年の次期学習指導要領から導入するために文科省では、有識者会議を設置し、検討を始めている。

不登校児童生徒の施策にもふれ、31年度までにスクールカウンセラーを公立小・中学校に、スクールソーシャルワーカーを全中学校区にそれぞれ配置する。さらに教育支援センターの全国各地への設置や、機能強化にも取り組む。同センターは現在、全国で約6割の自治体にしか設置されていない状況だ。

フリースクールなど学校外で教育を受けている、義務教育を十分に受けられない子どもたちの支援も推進する。既に超党派が「教育機会確保法案」を今国会に提出した。これを反映した形となった。

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