優れた能力を伸ばす教育施策など柱に 第九提言

会議終了後に提言の内容について説明する馳文科相と鎌田座長
会議終了後に提言の内容について説明する馳文科相と鎌田座長

教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大学総長)は5月20日、発達障害のある子どもの対応や特に優れた能力を伸ばす教育施策などを柱にした第九次提言をまとめた。先進的な取り組みを全国に広げるために「教育再生先導地域(仮称)」の設置を検討する。財源は来年度概算要求に盛り込む見通しだ。同日、鎌田座長が安倍晋三首相に提言を手交した。

発達障害などの子どもたちに向けた対応では、乳幼児から高校までの情報を引き継ぐ「個別カルテ(仮称)」の作成・活用を求めた。特に、特別支援学級や通級指導の対象となる児童生徒には作成を義務化するとした。

特別支援に関わる教員などの人材充実も掲げた。特別支援学校の教諭については、平成32年度までに、特別支援学校教諭免許の保有を必須化する。26年度の免許保有率は約7割に留まっている。

特別支援学級の担当教諭も免許保有率を現状の3割から6割へと引き上げる目標を示した。

このほか、教員養成段階での発達障害に関する学修の必修化や教員研修の充実、特別支援コーディネーターの専任化なども進めるとした。

不登校や、発達障害のある子どもの隠れた才能を伸ばそうと初中段階から多様な教育を進める。教育特例校制度を活用して特別な教育プログラムの編成や実施を促す。具体的には理数分野で特出した小・中学生を対象にした教育プログラムの創設も視野に入れる。大学や民間団体などが体系的に指導を考えている。

また大学レベルの授業を高校で行い、大学進学後に単位として認定する米国の「アドバンスト・プレスメント」を参考にした制度構築が提案された。

提言で盛り込まれた内容について、先進的な施策や高い効果が認められた取り組みについては、「教育再生先導地域(仮称)」を設けることを検討する。

同会議終了後に会見した馳文科相は「この提言には『倉敷宣言』の内容がちりばめられている。今後フォローアップするために、来年度の概算要求に盛り込んでいく」と語った。

同会議の提言フォローアップ会合では、これまでの提言の進ちょく状況を継続的に確認していく。

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