学校と情報共有し地域で子ども支援 児童館が実践報告

多様な人との関わりが学習意欲を育むと指摘
多様な人との関わりが学習意欲を育むと指摘

全国の児童館や放課後児童クラブを支援する(一財)児童健全育成推進財団は、今年度の健全育成セミナーを5月20日、東京都千代田区の都市センターホテルで開いた。子どもの貧困が社会問題化する中で、各地の児童館が実施する学習支援や食事提供活動の取り組みを報告。学校との情報共有で子どもを地域全体で支援する事例などが示された。子どもの居場所づくりの新たな展開を探る機会となった。

沖縄県浦添市森の子児童センターの大城喜江子館長は、学習支援、食事提供、キャリア教育の三位一体で取り組む同館の実践を報告。学校と連携し、小・中学生の宿題サポートや定期テスト対策などを行ったり、「よのなか科」をモデルにしたキャリア教育などを行ったりしている。

市内の全小学校区に同センターを設置した強みを生かし、地域全体で子どもの状況を見つめ、対応する仕組みを振り返った。このような体制により、各学校の不登校児童生徒の情報をセンターも共有。学校に行けない子どもでも、同センターの活動に参加すれば登校扱いにできるなどの状況を構築していると話した。

東京都八王子市立中野児童館の井垣利朗館長は、子ども家庭部が進める昨年度の一人親家庭の子ども支援プログラム「なんでもチャレンジ」を柱に説明。

学びや進学の意欲向上を図る学習支援、社会性向上や自立を視野に入れた体験活動を提供する。児童館が持つ居場所機能や地域コーディネート機能を生かし、ボランティアや大学生の力などを借りながら推進している。

対象は一人親の小学校5、6年生。午前中は同館職員を中心に料理教室や七宝焼などの工芸制作を行う。午後は民間学習支援団体や大学生の協力で国語、算数、英語を教える。

遊びを織り交ぜた子どもの主体的な活動と学習機会を実施する中で、スムーズで継続的な学習が実現しているとした。

長野県松本市寿台児童館の竹内亜哉児童厚生員は、寄り添い合って学ぶ学習会や余剰廃棄される食材の回収活動「フードドライブ」、食事サポートと食育を含んだ「ハッピー食堂」の開催について話した。

学習会は小・中学生に提供。「楽習会」と題し、宿題で分からない点などを学び合いながら解決する。フードドライブでは、食料が廃棄される一方で食事を十分とれない人がいる状況を説明。地域に呼び掛けるチラシと余った食料を回収するオリジナルBOX作りを子どもたちと進めた。

ハッピー食堂では、対象を貧困層に限定する中での参加のしづらさを考慮し、地区全体を対象化。市内の業者から食材提供を受けながら、大人と子どもで楽しく調理活動をしながら「食の勉強をし、お腹を満たした」と報告した。

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