ヘイトスピーチ対策法成立 国際理解充実をと文科相

「他者に対する配慮が必要だ」と語る馳文科相
「他者に対する配慮が必要だ」と語る馳文科相

在日外国人らへの差別をあおる「ヘイトスピーチ」の解消をめざす法律が5月24日午後、衆議院本会議で可決、成立した。公布日から施行される。馳浩文科相は同日午前に行われた閣議後会見で、同法案に盛り込まれている「教育の充実」に言及。「特別の教科 道徳」や社会科、国語科、外国語科など、あらゆる教科で国際理解や相互理解を深めていくと強調していた。

成立したのは「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(いわゆる「ヘイトスピーチ対策法」)。法案は自民・公明が共同提出したもの。「国際社会におけるわが国の占める地位に照らしても、ふさわしいものではない」として、相談体制の整備や教育の充実、啓発活動に取り組むとしている。

これについて馳文科相は午前の閣議後会見で「あらゆる教科を通じて他者に対する配慮や相互理解が必要だ」と訴えた。

また昨年度から小・中学校で一部または全部が実施可能となった「特別の教科 道徳」(道徳科)は、小学校で30年度から、中学校で31年度から、検定教科書を用いて全面実施される。この道徳科については、「生命や国際理解を子どもたちに学習させ、知・徳・体の成長を促す。丁寧な言葉遣いや相手を尊重する態度は、教師自らが示す必要がある」と、ヘイトスピーチとの関連性にふれた。

法案をめぐっては自公が、ヘイトスピーチを在日外国人や家族に対する「差別的意識を助長または誘発する目的で、公然と生命、身体、自由、名誉または財産に危害を加える旨を告知し、地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」と定義。これに対して民進は与党との修正協議で、「差別的言動」の定義を広げるために「(在日外国人らを)著しく侮蔑する」との文言追加を提案し、自公が応じた。

法案は5月13日の参議院本会議で可決し、衆議院に送られてきた。

同法の、教育に関わる「教育の充実等 第六条」は、次の通り――。

◇   ◇   ◇

 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。

2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。

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