主権者教育充実に役立つ 民主主義を考える冊子発行

東京都教委は、選挙権年齢の引き下げに伴い、主権者教育の充実に役立つリーフレット「民主主義って何だろう?」(A4判8ページ)を作成した。現在、世界中の多くの国で採用されている民主主義の歴史を、豊富なイラストや図を交えてたどりながら、その意味や良さを考えていける内容となっている。

冒頭、政治の役割について「人々の生活を守り、幸福にする」と説明。「国家と個人、個人と個人の利害関係の調整役もあり、さまざまな側面がある」としながら、「政治に人が関わる意思決定システムとしての民主主義とは何かについて学びを深めよう」と促す。

「多くの国で民主主義が採用されているのはなぜでしょう」の章では、政治制度としての民主主義が、これほどまでに定着したのはここ3世紀ほどとし、起源となる古代ギリシア時代の直接民主制から、近代の議会制民主主義の採用、基本的人権を尊重した自由民主主義の流れを明らかにしていく。

また今日の民主主義国家の基礎を形づくる思想家としてホッブズ、ロック、ルソーにふれ、リンカーンの「人民の人民による人民のための政治」、ケネディ大統領の「国家があなたのために何をしてくれるか問うのではなく、あなたが国家のために何をできるのか考えてほしい」との有名な演説を挙げ、政治への国民一人ひとりの在り方を問い直している。

しかし、民主制を敷く中からナチス政権が生まれたように、どの民主主義国家でも、体制が破綻する可能性は常にあると警鐘を鳴らす。その時々の雰囲気で国民の声が一気に一方向に流れる「大衆民主主義」の課題も示しながら、万能ではない、そのシステムの構造や意義を深く見つめ直す材料となるのを、都教委は願っている。

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