個に応じた学びの充実を 全高長総会で大臣官房審議官

教育再生実行会議の提言などから今後の教育動向を語る浅田大臣官房審議官
教育再生実行会議の提言などから今後の教育動向を語る浅田大臣官房審議官

全国高等学校長協会は第69回総会・研究協議会を、埼玉県さいたま市の大宮ソニックシティホールで5月25、26の両日にわたり開催。25日には、文科省講話や実践報告が行われた。同省の浅田和伸大臣官房審議官は、教育再生実行会議の提言などを示し、個に対応した教育や協同学習の充実と推進を、全国から集まった校長に依頼した。地域の課題を見据えたアクティブ・ラーニングとして主権者教育を位置付けた教育実践も発表された。

会長の宮本久也東京都立西高校長は留任となった。

浅田大臣官房審議官は、教育再生実行会議の提言を挙げ、発達障害や不登校、学力差を踏まえた個々の生徒に応じた学びの充実を一層進めてほしいと要望した。

現在、全国の学校で特別支援教育の基本的な考え方や指導はかなり広まっていると評価し、さらなる改善を図ってほしいと呼び掛けた。その際、学外の力を借りた推進体制も考慮しながら、教員が専門性をさらに高める努力も促した。

今後の教育を見据え、生徒の主体性や対話力を育む協同学習をさらに充実させる点も指摘。教師が生徒の立場に立って指導内容がしっかり身に付いたかを確認し、把握する意識を持つ大切さも訴えた。

研究協議では、全国4ブロックの教育実践が報告された。

九州ブロックの塚本讓二宮崎県立飯野高校長は、昨年度からスタートした主権者教育を通じたアクティブ・ラーニングの取り組みを説明。

同校が建つ市の衰退という課題克服を視野に、模擬投票を通じて、地域の問題を生徒が自分事として考え、判断し、票を投じる政治参加のプロセスを経験させた。

一連の実践は、全運営を生徒が担いながら、えびの市選挙管理委員会と連携して実施。生徒たちは生徒会役員選挙時に「選挙権年齢18歳引き下げ」についての説明を聞き、選挙公報と公約の吟味などを行いながら、未来の県知事選挙の模擬投票に臨んだ。

この投票は、地歴・公民とも関連付けた。若者が選挙に行かない理由を記した資料を吟味したり、投票結果を公開し検証したりしながら、生徒の社会参画意識や地域を見つめ直す意識が高まったと振り返る。また棄権の影響についても学びを深められたと成果をあげた。

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