東京理科大学で5月25日、第2回「笑育(わらいく)」の講座が行われ、タレントでフリーアナウンサーの上田まりえさんがゲスト講師として登壇した。
講座の内容は、▽発声練習▽インタビュー技法▽プレゼンテーション力の習得▽第一印象の大切さや就職活動へのアドバイス――など。
上田さんは「自信がないからこそ、もっと素敵な自分になりたいと思うし、その思いが頑張る原動力にもなる」と語った。学生からは「自ら動いて学ぶと楽しいし、得られるものも大きい」との声が上がった。
学生が自らの体を使って行った発声練習では、10分程度で発声が変化し、滑舌の改善がみられた。講師による「桃太郎」の読み聞かせでは、学生たちから拍手がわき起こった。
また新聞を使い、書き言葉を話し言葉に変えて口に出して伝えるプログラムでは、自ら進んで口を動かし実践している姿がみられた。
インタビュー技法については、学生たちが事前に記入してきた「人生ふりかえりシート」を基に講師がインタビューを実施。プロのアナウンサーによる実技指導に、学生たちが前のめりになる場面も。
学生同士で声をかけ合ったり拍手をし合ったりと、終始和やかな雰囲気で行われた。自主的にメモを取る学生の姿もあり、学習意欲の強さがうかがえた。
実際に自分の体を動かして学んだ学生からは「話を聞くだけの授業には刺激がない。自ら動いて学ぶと楽しいし、得られるものが大きい」との声が聞かれた。また「小学校からこういう授業があったらいいなと思う」との意見も。
講師自身が、「私が一番楽しんでいた」と語るように、参加した学生は「上田アナが元気で明るかったから楽しめた」と笑顔で話した。
東京理科大学理学部第一部教養学科教育支援機構教職教育センターの井藤元・専任講師は「教員を目指している学生の中には、プレゼンテーション力やコミュニケーション力、子どもたちに分かりやすく教える力が欠けている学生もいる。そんな学生の力になれば。アクティブ・ラーニングが推進される流れの中で、教壇に立つようになる学生が、実際に経験するのも大切」と語った。
言語活動を充実させる「笑育」では、コミュニケーション能力の向上と、豊かな心の育成が期待できる。発想力・プレゼンテーション力・コミュニケーション力の習得もねらっている。
同学では「笑育」を全9回実施する。7月の最終講座では、学生が自らの手でゼロから漫才の台本を作って披露する。
対象となるのは、▽コミュニケーションが不得手▽自己アピールが下手なため就職活動などで苦戦している▽人前で話すのが苦手▽発想力に自信がない――学生。
「笑育」は松竹芸能㈱が、平成24年から行っている、誰もが親しんでいる「お笑い」を通じて楽しみながらさまざまな能力を身に付けていく取り組み。
同社では、これまでに大阪府の小・中・高校に向けて「笑育」を展開してきた。平成26年には大阪府教委とともに開催。
今後は、関東の教委とも連携し、小・中学校でも「笑育」を行っていく予定という。