中学校教育の充実・発展に注力 第67回全日中総会

全国の中学校長に向けてあいさつする伊藤会長
全国の中学校長に向けてあいさつする伊藤会長

全日中は5月26日、都内で「第67回全日本中学校長会総会」を開催した。挨拶に立った会長の伊藤俊典東京都港区立白金の丘学園白金の丘中学校長は、「全国の中学校教育の充実・発展に向け、力を合わせて頑張っていきたい」と述べた。また来賓として出席した馳浩文科相は、さきごろメッセージとして発した「教育の強靱化に向けて」の趣旨や教職員定数の改善、夜間中学校の必要性などについて熱く語りかけた。

同会長は、▽全日中教育ビジョンの推進と再改訂▽東日本大震災支援員会の活動など、昨年度の取り組みにふれた。東日本大震災支援員会では、福島県で大震災により避難して開校している中学校を視察している。

総会で示された今年度の活動方針は、「中学校長は学校教育の課題を踏まえ、人間尊重の精神に徹し、『社会を生き抜く力』を育む教育を推進するとともに、学校からの教育改革を実行し、新しい時代に求められる学校づくりに向けてリーダーシップを発揮しなければならない」。

運営方針は、▽全国都道府県中学校長会相互の緊密な協調を保ち、中学校教育の振興を図り、国家社会発展に寄与▽国の諸改革の動向を踏まえた適切な対応▽校長の指導力向上を図り、国民の信託に応える中学校教育の創造――に努める、と示された。

今年度の新会長には、東京都新宿区立新宿中学校の榎本智司校長が就任した。

一方、馳文科相は「ゆとり教育か否かの議論は次のステージに移ろう」と語り「一人ひとりの個性や価値観の多様性を認め合うのを目指して子どもたちを育てていきたい」と強調した。

全国学力調査の過去問題をくり返し児童生徒に解かせていた問題については、改めて警鐘を促した。

不登校や夜間中学校にもふれ、「県庁所在地に夜間中学校が1校は必ずあるのが望ましい。基礎教育を学ぶ場所の提供と一定の経済的支援が必要だ」と訴えた。

また広島県府中市で進路指導を苦に生徒が自殺したとされている事案について、第三者委調査の結果を踏まえ、この1学期中に1つの方針を示す意向を示した。

さらに、教員が休みなく働き、研修ができていない現状を異常とし、スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)、部活動の指導など、専門的な人に参加してもらうチーム学校を進める姿勢を強く表した。秋の臨時国会で、法改正も視野に入れて検討するとした。加えて「財務省に、教職員定数の配置について要求を出したい」と、教育に対する先行投資の重要性を訴えた。

「常に現場の声に耳を傾けながら、国の将来を担う子どもたちにどのような教育環境を整備していくかを肝に銘じ、真面目に取り組んでいく」と熱のこもった話をした。

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