子どもを育てる意識が重要 道徳科第1回WG

道徳教育について議論された
道徳教育について議論された

中教審初中教育分科会教育課程部会は文科省で5月27日、考える道徳への転換に向けたワーキンググループの第1回会合を開き、道徳の学習内容や評価の在り方などについて議論した。

道徳教育を実施するにあたり、指導方法が確立されていない現状や、適切な教材の入手が困難との課題が示された。

岡山大学附属小学校の尾崎正美教諭は、評価の在り方について、「評価ではなく子どもを育てるとの意識が持てる内容が必要」と述べた。

小・中学校、特別支援学校などで昨年度から一部または全部の実施が可能となっている「特別の教科 道徳」(道徳科)では、内容項目を、対象の広がりに即して整理し直し、「A主として自分自身に関すること」「B主として人との関わりに関すること」「C主として集団や社会との関わりに関すること」「D主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること」として、それ以前の項目の順序が改められている。

高校には道徳科が設けられていないため、学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の指導への配慮が特に必要とされている。

横浜市PTA連絡協議会の森川智之会長は「いろいろな価値観があるので、道徳の授業で先生が行う最後のまとめも十分に配慮してやっていかなければならない」と述べ「道徳を通して子どもの生きる力、諦めない力、やり抜く力を養っていきたい」と意見を述べた。

文科省が平成24年5月から6月にかけて、公立小・中学校を対象に実施した道徳教育実施状況調査によると、▽指導の効果を把握するのが困難▽効果的な指導方法の未確立▽適切な教材の入手が困難――などと教員が感じている現状が明らかになり、課題として挙げられている。

こうした状況の中で尾崎教諭は、「現場の教員は何をしたらよいのか迷っている。どう評価すればよいのか不安感を持っている教員が多い。評価中心ではなく、子どもを育てるとの意識が持てる内容を学習指導要領に盛り込んでほしい」と要望した。

道徳科の評価については、▽他者の考え方や議論にふれ、自律的に思考する中で、一面的な見方から多面的・多角的な見方へと発展しているか▽多面的・多角的な思考の中で、道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているか――に着目する必要があるとの提案が事務側からされた。

これに対して樋口一宗兵庫教育大学教授は、発達障害のある子どもたちにふれ、「普通の授業では問題なくても、道徳的な判断力、心情、実践意欲の習得が難しい子がいる。大きな差がつかないように配慮していくべきだ。幅広い生徒に対応する目標設定や、一人ひとりに応じた評価が必要」と意見を述べた。

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