子どもを意識した授業の検討も 里親・養子縁組制度で

里親・養子縁組の現状を語る森准教授
里親・養子縁組の現状を語る森准教授

文京学院大学で5月27日、「里親・養子縁組 阻む壁と対応策」セミナーが行われた。同学人間学部の森和子准教授が登壇した。

里親や養子縁組を経験した子どもたちへの教員の対応について森准教授は、「そのような子どもがいるとの意識を持って授業内容を検討していってほしい」と述べた。

厚労省が今年4月に発表した「社会的養護の現状について」によると、虐待、貧困、病気、望まない妊娠などさまざまな理由で保護者がいないケースや、保護者の監護が適当でない「社会的養護」を必要とする児童は、約4万6000人に上る。国は里親や養子縁組によって子どもを養育する「家庭養護」の3割引き上げを目標としているが、9割近くが児童養護施設などで養育される「施設養護」となっているのが現状だ。

これについて同准教授は「より多くの人にこの現状を知ってもらい、受け入れてもらう必要がある」と述べた。

また学校教育の現場での問題点も指摘。「生い立ちの授業」「命の授業」「2分の1成人式」など、子どもたちが自分の生い立ちにふれる授業に関しては「そのような子どもがいるとの意識を持って授業内容を検討していってほしい」と、教員に配慮を求めた。

教員研修や、教員を目指す学生たちが里親・養子縁組について学べる環境作りの推進を行っていく意向も示した。

同准教授は「児童相談所で子どもたちと接していたとき、里親の元へ行った子どもたちの顔がどんどん変わっていった。子どもらしくなった」と、里親や養子縁組に強い思いを持ったきっかけを語った。

里親制度とは、家庭崩壊防止と子どもの家庭復帰を目標に、一定期間子どもに代替的家庭養育を保障する制度。養子制度とは、法律上の親子となる制度。

埼玉県志木市では平成25年に、里親や養親が講師となり、家庭での様子や学校で配慮してほしい点などを話す教員研修が行われた。

関連記事