職業特化の新高等教育機関を答申 企業の即戦力ねらう

馳文科相に答申書を手交する北山会長
馳文科相に答申書を手交する北山会長

中教審(会長・北山禎介三井住友銀行会長)は5月30日、職業教育に特化した新たな高等教育機関の創設を、馳浩文科相に答申した。専任教員の4割以上を実務家教員にするほか、社会人も受け入れる体制を整備する。企業で即戦力となる人材を育成するのがねらい。平成31年度の開設を目指し、法改正する。

新高等教育機関の制度化を盛り込んだ答申は、「個人の能力と可能性を開花させ、全員参加による課題解決社会を実現するための教育の多様化と質保証の在り方について」。新たな教育機関を大学や短大として位置づける。大学は4年制、短大は2~3年制とし、「学士」「短期大学士」の学位を、これまでの大学、短大と同様に授与するとした。

新たな機関の名称は「専門職業大学」「専門職業短期大学」などが検討される。

既存の専門学校からの移行や、大学、短大からの一部学部・学科の参入が見込まれている。

卒業に必要な履修単位に係る学修内容は、一般の大学で学ぶ教養や理論に加え、情報技術や観光などの専門分野を3~4割以上含む。企業内実習(インターンシップ)も導入し、2年間で300時間以上、4年間で600時間以上履修する。

工業高校や農業高校などの職業高校を卒業した者に加えて、社会人の入学も想定されている。

教員スタッフの4割以上を占める実務家教員は、企業などので勤務経験が5年以上ある者とする。

職業教育に特化した高等教育機関の創設は、政府の教育再生実行会議が平成26年7月の第5次提言で打ち出したもの。これを受けて文科省では、昨年5月に有識者会議を立ち上げた。

新しい高等教育機関が開設されれば、短大が昭和39年に制度化されて以来の、抜本的な改革となる。

ただ、専門家からは、「既存の大学が専門的になっており、新しい高等教育機関を創設させる意味はあるのか」との指摘もある。

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