学校生活から政治意識高める 千葉県が主権者教育研修

県内の全公立高校と特別支援学校教員が学びを深めた
県内の全公立高校と特別支援学校教員が学びを深めた

千葉県総合教育センターは、高校での政治的素養を育む教育の一層の充実に向け、県内全公立高校と特別支援学校の教員を対象にした研修会を5月31日、千葉市の同センターで開いた。総務・文科両省が作成した副教材「私たちが拓く日本の未来」を使った授業づくりのポイントや、県内高校の参加体験型実践事例などを報告。日頃の学校生活から政治や社会課題を意識させようとの助言に加え、政策、イメージ、人柄を織り交ぜた候補者選定でより妥当な選択眼を磨かせる授業事例が報告された。

東洋大学社会学部の林大介助教は、副教材を生かした実践づくりのアドバイスを行った。

主権者教育を実施する必要性では、諸外国との比較を通じた日本の若者調査から、「自分の将来に明るい希望を持っていない」「社会問題への関与、参加が相対的に低い」などと指摘。その上で、「子ども時代からの市民性の醸成が地域、社会づくりにつながる」とし、社会の担い手となる主権者を段階的に育てていく重要性を強調した。

自らが作成に関わった同副教材の構成も説明。選挙の仕組みや年代別投票率などを示した解説編、話し合い活動や模擬選挙で実際の政治的事象を取り上げ、社会的課題を考える実践編、選挙運動や政治活動の在り方を示した参考編という3部構成となっている。

実際の選挙を題材にする「模擬選挙」実施の利点では、▽実際に一票を投じる中で有権者としての実感が深まる▽投票の指標を自分なりに考える▽家族などとの対話が生まれ投票率向上につながる――を挙げる。

副読本を生かす際の注意点では、「個々の学校で可能な取り組みを主体的に考える」「日頃の学校生活で政治や社会課題を意識させる学びを」を助言。その上で、▽教科の枠を超えて学校全体で政治教育を▽関係団体との協働で多様な考え方や見方にふれる機会を▽家庭や地域での推進も――と訴えた。

県立浦安南高校の長束倫夫教諭は、これまで実施してきた政治的教養を育む授業事例を説明。

副教材を生かしながら、▽正解が一つに定まらない問いに向かう▽学びを生かして解決策を考える▽対話や議論で考えを深める――という視点のアクティブ・ラーニング型授業を進めているとした。

候補者選定を考える授業では、政策だけでなく外見のイメージや人柄を織り交ぜて判断を問う展開を試み、より妥当な選択眼を磨く機会を提供した。特定の立場に偏った政策を自分事として見つめさせる中で、政治への真摯な向き合いと参画の大切に気付く事例なども報告した。

市町村選挙管理委員会などの外部講師による授業が一層の効果を生む点や、教科で学びを振り返る機会も大事にしたいとも話した。

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