紙と「デジタル教科書」のバランスを 位置づけで論議

「デジタル教科書」の中間まとめ案について議論された
「デジタル教科書」の中間まとめ案について議論された

文科省の「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議が6月2日、第8回会合を開いた。紙の教科書との関係、その教材費に関わる問題や障害のある児童生徒への配慮など、中間まとめ案について議論された。

東京国際大学商学部の山内豊教授は「教科書の作成側に、どのような形で紙とデジタルのバランスをとっていくのか伝えていく必要がある」とし、保護者の教材費の一部負担については「保護者の『デジタル教科書』への理解が必要」と語った。

東京都荒川区教委の高梨博和教育長は「義務教育段階で使用する『デジタル教科書』は無償で提供されるのが望ましい」と要望した。

これに対して事務局は「保護者の負担をできる限り軽減するのも含めて検討していく」とした。

障害のある児童生徒が使用する場合について、東京大学先端科学技術研究センターの近藤武夫准教授は「音声で学ぶ子がいたり目で見て学ぶ子がいたり、点字を使って学ぶ子がいたりと、多様化した学習方法を進めていくとよい」と述べ、ひとつの教室で多様な学び方を進めていく必要性を話した。

また茨城県つくば市教育局総合教育研究所の毛利靖所長は「『デジタル教科書』の効果を強調できるまとめができるとよい。そうすると、教員や保護者への理解が深まる」と意見を述べた。

他の委員からは「教員に理解してもらえるような内容にして、それを伝えていくのが大切」と、中間まとめ案がまだ現場向きではないと指摘し、指導方法の多様化を求めた。

使用形態として論議されているのは、▽紙の教科書を主とし、補助教材として「デジタル教科書」を用いる▽紙の教科書を主とし、教科の一部(単元等)の学習で「デジタル教科書」を紙の教科書に代えて使用する▽「デジタル教科書」の使用を主とし、補助教材として紙の教科書を使用する――の3つの視点。

関連記事