小学校プログラミング教育 思考力育成柱に最終報告

最終報告が了承された有識者会議
最終報告が了承された有識者会議

小学校でのプログラミング教育の必修化に向けて検討している文科省の有識者会議が6月3日に開催された。最終報告書が大筋で了承された。総合的な学習を軸に体験的な学習を重ね、各教科で具体的に「プログラミング的思考」を育成する方向性を示した。ただ無線LANなどのハード面の課題も山積している。

最終報告書では、プログラミング教育を、平成32年からの次期学習指導要領に盛り込むとしている。パソコンやスマートフォンなどのICTが普及しているなか、教科を新設するのではなく、総合的な学習を基本に、各教科で理論的な思考を育成する。

具体的には、総合的な学習で、自分の生活とプログラミングとの関係を考えさせる。紙と鉛筆だけで理論的思考を育む「アンプラグドコンピュータサイエンス」を活用するのも想定されている。

理科で、電気製品にプログラミングが活用され、条件に応じて作動している仕組みを学ぶのも考えられる。算数では、「筆算」に力をいれてプログラミング教育の素地を育成させるなど、探究的な学びにつなげていくとしている。特別活動を通じて、プログラミングに関するクラブ活動の実施も提案された。

学校外での教育も視野に入れる。官民が連携した多様なプログラミング教育や、土曜学習などでも学ぶ体制の整備を明示した。

また小学校教員が活用できる教材の開発・改善も提案した。授業実践例や教材が集積されるようなポータルサイトの必要性を訴えた。

ただ、こうしたプログラミング教育を実施するには、ハード面での課題が山積している。コンピュータ1台当たりの児童生徒数の全国平均が6.4人で、1人1台にはほど遠い現状にある。普通教室での無線LANも平均は23.5%と厳しい数値となっている。

有識者からも「ネットワークの問題が大きい。これを整備しないと十分に体験できないのではないか」「コンピュータの数をどうしていくのか」といった懸念の声もあった。

プログラミング教育をめぐっては、4月19日の産業競争力会議で、AIやロボットの普及などによる「第4次産業革命」に対応する人材育成が求められた。これに対応するべく「情報活用能力を備えた創造性に富んだ人材の育成が急務」として、小学校から研究者までの体系的な人材育成プログラムの必要性が示された。