絵本でプログラミングの基礎 アクティビティで学ぶ

n20160603_06プログラミング絵本小学校でのプログラミング教育の必修化に向けて、文科省の有識者会議が最終報告書を大筋で了承した。

それでは、小学校教員は、何をどう準備しなければならないのか。プログラミング言語をこれから学んでいかなければならないのだろうか。そうはいっても、日々の授業や生徒指導、さまざまな資料づくり、保護者への対応などで、時間的なゆとりはなかなかない。

そんな教員らに一条の光を差し込んでくれる、絵本仕立てのプログラミング入門書が発行された。リンダ・リウカス作『ルビィのぼうけん~こんにちはプログラミング』(㈱翔泳社)がそれだ。子ども向けの絵本として描かれ、その中に、プログラミングの基礎基本が、たいへん分かりやすく描かれている。

同有識者会議での検討では、「小学校段階ではプログラミング『を』学ばせるのではなく、プログラミング『で』学ばせるべきだ」との意見が出ていた。『ルビィのぼうけん』は、まさに、これにぴったり。

活発な女の子ルビィは、パパからの手紙で、宝物探しの冒険に出かける。動物やロボットなどに出会いながら、1個、また1個と宝石を見つけていく。ときには、屋根に上るはしごを作る。そんな物語が前半にあり、後半では、そのお話に沿って、プログラミングの考え方を解説していく。

冒険に出る前に立てた計画。それは「アルゴリズム」。進む道を示す矢印を地図の上に付けていく。それは「シーケンス」。繰り返すパターンは「ループ」。絵と文字の対応は「データ構造」……。

難しい言葉を覚えるのではなく、物語の展開に沿いながら、ある指示に従ってアクティビティに興じていくと、そうした考え方が自然に出てくるように「設計」されている。

このアクティビティは、仲間と一緒に話し合いながら、あるいは大人と一緒に、対話をしながらやっていくとよい。

こうしたアクティビティや対話こそ、汎用的な能力を学ぶきっかけづくりとなり、「プログラミング『で』学ぶ」具体像になっていく可能性が高いだろう。

作者はフィンランドの若い女性。クラウドファンディングで資金を募り、この絵本を世に送り出した。同国の「デジタル・チャンピオン」(ヨーロッパ各地で任命されるデジタル社会の課題について啓発活動などを行う大使)である。

教員研修で用いるのも効果的。学校図書館にも、職員室にも置いておきたい好著だ。

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