教材無償提供で大修館書店社長陳謝 協会長辞任意向も

事実の概要を説明する鈴木社長
事実の概要を説明する鈴木社長

中学・高校の教科書を発行する大修館書店が、同社の英語教科書を採択した5都県の公私立高校合わせて14校に、英語問題集1500冊を無償提供していたのが発覚。これを受けて、教科書協会会長を務める同社の鈴木一行社長は6月10日、文科省内で会見し、「大変申し訳ない」と陳謝し上で、同協会会長を辞任する意向を示した。

同協会の自主ルールでは、選定関係者への教材を含む金品の提供を禁じており、今後、社内調査を実施して文科省に報告する。

会見で鈴木社長は、昨年に発覚した教科書謝礼問題を受けて「徹底した指導をしていたが、結果的には行き届いてなかった。問題集の回収を進めている」と話した。

同協会の会長としての進退については、「協会の自主ルールを自社で守ることができなかったのは悔しい」と語り、辞任を表明した。

同社によると、無償提供したのは東京支社と町田営業所の営業担当3人で、「義務教育と高校では採択のしくみは異なっており、ルールには違反していないと認識していた」と話しているという。提供したのは今年3月から4月にかけてで、東京、神奈川、埼玉、茨城、新潟の県立11校と私立3校。昨夏に同社の英語教科書を採択し、今春から使用していた。このうち3校は別の会社から同社に切り替えていた。

同社は今後、英語の教科書だけでなく、ほかの教科の教科書についても自己点検を進めるとしている。

文科省はこの事実を受けて、高校教科書を発行しているほかの38社にも同様の事案がないか、調査する意向を固めた。問題が発覚した場合は発行会社を呼び、直接注意するのを検討している。

同社は、昨年に発覚した、検定中の教科書閲覧と謝礼に関与した10社には含まれていなかった。

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