共創探究型学習研究所が設立 理論と実践を往還

教育の大変革期に中で本物を追究しようと語る多田代表
教育の大変革期に中で本物を追究しようと語る多田代表

対話を生かした深い学びの創造を目指す「共創探究型学習研究所」の設立総会と第1回研修会が6月12日、横浜国立大学で行われた。全国から研究者や教員ら60人ほどが集まった。グローバル時代における対話型授業の実践と理論を往還する同研究所の設立趣旨説明と、教科学習での対話型授業実践が報告された。

同研究所設立の経緯説明の後、多田孝志前目白大学人間学部長・児童教育学科長が所長に就任した。

研究所設立を推し進めてきた同代表は、「夢がある。本気になって本物の実践と理論を探究し、21世紀に生きる子どもたちを育んでいく道を築いていきたい。この会がその契機になれば」と挨拶した。

この後、同代表による講演、算数と国語における対話型授業の実践報告があった。

講演では、「いま、時代は大きく変わり、教育は大変革期にある。その中で、主体性や深い思考、深い対話、総合的な人間力の育成、弱い者へのまなざしや共感力などを真に育む教育が欠かせない。そのためには、本物の理論と実践の往還が不可欠だ。学校全体の実践はどうすれば深まるのか。その中で教員はどうすれば成長するのか。現場性と身体性を大切にしながら探究していきたい。旧来の殻を破り、新しい教育を創っていく営みが未来を開く」と話した。

また同研究所が解明すべき課題について、「21世紀には、なかなか相互理解に至らない人間同士が共存する技法が重要。多様性、関係性、自己変革力、主体性、知を超えた智の育成、深い思考力、対話力、響感力、霊性。小さな哲学者としての子どもの育成、複雑性の科学、沈黙して相手を待つ態度などを考究していく必要がある。当たり前として捉えていた教育上の営為を、きちんと捉え直す取り組みも大切」と語った。

実践報告は、荒川景子栃木県上三川町立明治南小学校教諭が算数科、原梨絵東京都文京区立千駄木小学校教諭が国語科における「対話を利用した深い対話力の育成」について話した。

荒川教諭は、あまりの出るわり算の授業で、児童らが自分たちで創っていく算数授業の様子を、ビデオを交えて語った。課題を探究していくための考えるツールとして、児童が自分たちで決めた「ためす」「式」「ジャンプ」「他のアイデア」などのカードを活用。全員参加でわいわいと、意欲的に学びが進んでいく。問いが次の問いを生むように、教員が児童の多様な考えをタイミングよく拾っていくのも、重要なポイントとなっていた。授業を自ら振り返る「授業再現ノート」づくりを重視しているとも説明した。

原教諭は「夕鶴」の授業実践について語った。児童が書き込んだノートから、一人ひとりの意見の要点を座席表上に記入。それを児童に配り、互いの意見を視覚化。つうやよひょうの気落ちや関係性について、多様な考え方があるのを知り、自分が最初に抱いていた意見を形成的に深め、高めていく様子を説明した。自己内対話と他者との対話を繰り返し、自分の価値付けが揺さぶられていく中で深い学びと深い対話が進んでいく様子が、生き生きと報告された。

この後、ワールドカフェ方式で、講演と実践報告について、参加者同士が考えなどを分かち合った。

同研究所は8月27、28日の1泊2日の日程で、第2回研修会を、信州大学で開催する。

同研究所の問い合わせは代表補佐(池田)Eメール=shalom0926@jcom.zaq.ne.jp

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