やりがいのある仕事を追求 障害のある学生支援で

障害のある学生の支援について意見が出た
障害のある学生の支援について意見が出た

文科省で6月16日、障害のある学生の修学支援に関する検討会の第3回会合が開かれた。各委員などから、障害のある学生の就労支援についてプレゼンテーションが行われ、他の委員からさまざまな意見が出た。

日本福祉大学社会福祉学部の柏倉秀克教授からは、「やりがいのある仕事を追求していくのが大切。ただ就職率を上げればいいというわけではない」との声が聞かれた。

日本アイ・ビー・エム株式会社人事・ダイバーシティ企画の梅田恵部長によって、ACE(企業アクセシビリティ・コンソーシアム)およびIBM Access Blue Programの説明がされた。

ACEは、「障害者雇用の新しいモデル確立」を目指し、企業二十数社が集まり、平成25年9月に設立。人事担当者や障害者社員向けセミナーの設置や教育冊子の発行などを行っている。

IBM Access Blue Programは、20代、30代の障害者向けインターンシップ・プログラム。コミュニケーションスキル・プレゼンテーション能力の向上や交渉術・面談力の向上などを目指している。

梅田部長は「インターンシップでは、障害のある学生同士が助け合っている」と話した。

信州大学学術研究院教育学系の高橋知音教授は、インターンシップに参加した学生の意識の変化について質問した。

これに対して同部長は「相手の障害をどう受け止めるか、どうサポートしたらいいのか、障害のある者同士がよく考えて動くようになる。客観的に自分の障害や自分の環境を自覚するようになると変わってくる」と述べた。

さらに、「企業側は、障害の有無で判断せずに接している。それが、障害のある人たちにはうれしい。過度な配慮はしない方がいい」と語った。

障害のある学生のインターンシップについては、委員から多様な声が聞かれた。

富山大学保健管理センターの西村優紀美准教授は「中学校や高校からの支援体制がないと難しい。インターンシップなどで社会と関わろうとする意識を、若いころから持っていくのが大切。親もとからの自立を、できるだけ早いうちから考えておく必要がある」と話した。

日本学生支援機構が行った「平成26年度 大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査」によると、インターンシップの実施は、1185校中14校だけで実施。

障害のある学生の在籍者数は年々増加し、同年度には1万4127人で、前年度よりも678人増えた。

他にも、障害のある学生の就職支援として、東京労働局東京新卒応援ハローワークの佐藤慎也室長、日本マイクロソフト株式会社技術統括室の大島友子プリンシパルアドバイザー、株式会社Kaienの鈴木慶太代表取締役から、各取り組みなどの説明が行われた。

鈴木代表取締役は「大学1、2年生からの支援が大切」、柏倉教授は障害のある学生が職場でうまく働かれていない現状を取り上げ、「やりがいのある仕事を追求していくのが大切。ただ就職率を上げればいいわけではない」と述べた。

放送大学学園の広瀬洋子教授は「大学生には10代20代だけでなく、30代から50代までさまざまな人がいる。そこの視点も加えて考えていくのが大切」と語った。

東京新卒応援ハローワークでは障害学生支援として、専門支援コーナーを設置。平成27年度の障害のある人による窓口相談は1511件。

7月7、8の両日、来年3月の大学等卒業予定者向けの障害者就職面接会が行われる。会場は新宿区の東京新卒応援ハローワーク高田馬場分室3階セミナールーム。申し込みは7月4日まで。当日参加も可能。

関連記事