特別の事情で小学校未修了 中学校入学は適当と通知

「認めることが適当と考えられる」――。文科省は6月16日、「特別な事情」のある小学校未修了者の中学校入学を認める見解を、都道府県・政令指定都市教委などに通知した。

また設置者の地方自治体に対して、学習や生活指導などを含む「個別の支援計画」などの策定を求めた。

発出された通知文「小学校未修了者の中学校等入学の取扱について」では、近年、さまざまな状況変化があるとして、「特別の事情を有する場合には中学校等への入学を認める」とした。

特別な事情の事例としては、▽虐待などによる無戸籍や居所不明▽犯罪被害▽不登校による長期欠席▽病弱や発育不完全などによる就学義務の免除・猶予▽重国籍や日本語能力欠如による同免除・猶予▽外国籍の子どもが現地の小学校に通った後に、住居の変更により日本の中学校を希望する場合▽夜間中学校を希望する場合――が示された。

市町村教委には、学校とフリースクールなどの民間団体と連携して学習支援や生徒指導などを含む個別の支援計画の策定を検討するよう要望。放課後や長期休業を活用したきめ細かで組織的・計画的な学習支援・進路指導も促した。

さらに、児童養護施設に入所している子どもで、貧困や虐待などの問題を抱えているケースでは、スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)等の専門職員と児相との間で連携し、支援の充実を図るよう求めた。

都道府県教委には、市町村教委の意見を聞いた上で、必要と認める場合には、専門職員の配置に関する予算補助や教職員定数の加配などの人的支援措置の活用も要請した。

文科省担当者は「近年、無戸籍や居所不明がクローズアップされてきた。こうした子どもたちを支援しようと『ニッポン一億総活躍プラン』や教育再生実行会議の『第9次提言』でもうたっている。文科省としては、通知で自治体に支援を促したい」と、発出の理由を語る。

同省の調査によると、嫡出推定に係る「離婚300日問題」などを理由に無戸籍になった義務教育段階での子どもたちは、142人いるのが分かっている。このうち約3割が貧困世帯だった。学力に問題があったり、虐待が疑われたりする子どももいた。

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