安全とより良い教育の両立目指す 体験活動リスク講習

参加者が体験を通して学びを深めた
参加者が体験を通して学びを深めた

安全とより良い教育内容を両立した部活動や体験活動のリスクマネジメントを学ぶ「体験活動セイフティリーダー(ASL)資格認定講座」が6月21日、横浜市のプラムネット株式会社で行われた。参加者は各種アクティビティーを体験し、観察しながら、それぞれが感じたリスクを記述。各自の意見を「危険性」「活動頻度」の軽重を示す表に分類し、活動目標と照らして分析・評価する作業を経験した。各自が考えるリスクを共有し、吟味していく中で、目指す教育目標と考慮すべき安全管理の両面を見いだす力を磨いた。

同講座は、教員などが学校の部活動や体験活動を、安全に、より良く実施するのを願い、実施されている。活動に伴う数々の安全管理と活動内容のリスク把握を視点に、質の高い教育を実現する内容を重視しているのが特長。

指導者の法的責任や注意義務などを解説する「安全管理の基礎知識」から、体験演習を織り交ぜて学ぶ「リスクの発見、共有、評価」、参加者が意見を出し合って研さんする「リスク対処から事前の安全説明(セイフティートーク)」の3点で展開する。

「リスクの発見、共有、評価」では、参加者が、目隠しをした状態で指示を受け、室内に設けたさまざまな障害物を乗り越えるアクティビティーを経験した。全員が実践、指示、観察の3役を担い、それぞれの立場で感じた活動中の危険を記録。次の「リスク対処から事前の安全説明」の中で、各自の意見を発表し、共有していく。

観察者の視点を通じては、「『1歩』という指示も、人によって歩幅が違うので、動く距離が異なる」との意見が聞かれた。指示者の立場では「指示に夢中なため、視線や意識が実践者だけに向いてしまう」などが示された。体験と話し合いから、立場によって活動の見え方や認識が異なってしまう点への気付きを深めた。

続いて、各自の気付きを活動におけるリスクとして見つめて明示。その上で、表に「活動によるダメージの度合い」「活動頻度」という2項目を挙げ、気付きをリスクの度合い別に分類していった。「目隠し」では、けがの危険性を考慮しダメージを「中程度」とした。頻度については、あまり実施機会がないとして「少ない」とした。

こうした分類結果を踏まえ、講師を務める同社の渡辺直史さんは「リスク評価では、発見した多数のリスクから、明らかに事故やけがにしかつながらない『ハザード』を分別する必要がある」と指摘。命を脅かす可能性が高い「活動ダメージ」に触れる内容は、「活動頻度」が少なくても避ける必要があると述べた。

それらを踏まえ、子どもの成長や挑戦を促す「学習のリスク」を教育目標と照らしながら、考慮、分類していくのが大事だと強調した。

ハザードや学習リスクの絶対的な基準や正解はないが、教育に関わる全メンバーが教育目標と照らしながら、リスク評価を共に分析し、考えていくプロセスがより良いリスクマネジメントにつながると話す。

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