金融教育受けた人はリスクに前向き リテラシー調査

金融広報中央委員会が18歳以上の個人の金融リテラシーについて調査した。金融教育を受けて金融リテラシーが高い人は、金融トラブルに遭いにくく、経済的ショックへの耐性が強く、リスク性資産への投資が多めだった。低い人は損失回避の傾向が強かった。

調査は2月29日から3月17日まで、ネットアンケートで実施。県別、男女別の構成比に基づいて、全国の18歳から79歳までの2万5千人から有効回答を得た。

出題は全51問。家計管理、生活設計、金融知識など生活スキルとして最低限身に付けるべき金融リテラシーを記した同委員会作成の「金融リテラシー・マップ」の全分野から。そのうちの半数の設問では、米国FINRA(金融業界監督機構)やOECDなど海外機関と比較できるような内容とした。

内容は、クレジットで分割は便利だが、多用するのは適切か(分割手数料(金利)の発生で分割の多用は適切でない)を問う家計管理。投入金が2倍になる年数が分かる「72」の法則についてなどの金融知識等。正答率が高かったのは40代から70代までの男性で、金融教育を受けた経験が相対的に高い。正答率が高い人は、株式などリスク性資産に投資する人が多い傾向にあった。

「金融教育を受けた」と回答した学生の正答率は56.4%。受けていないは38.2%。教育を受けた人は、金融商品購入時に他の商品と比較するなど、望ましい金融行動をとる割合が高かった。

金融教育の実施については、「行うべきだ」が62.4%。そのうち、教育を受けた人は8.3%に留まった。理由は、「受ける機会がなかったから」「教わる機会がなかったから」との回答が60%から70%。

50代に、老後の生活費の準備について尋ねた設問では、「資金の確保がない」72.0%、「公的年金の受給金額を知らない」59.7%で、老後の生活費に関する認識をしっかり持っていない人が半数以上いた。

正誤のある設問での正答率は、都道府県別にも集計された。上位順に奈良県、香川県、京都府。上位層では、緊急に備える資金を確保している割合が高い。正答率の低い県は、金融トラブル経験者の割合が相対的に高かった。

同委員会は「金融教育を受けた人の割合は、日本は米国の3分の1。金融知識に自信がある人は日本13%に対して米国は73%。学生に対する金融教育を拡大すると、日本全体の金融リテラシーの底上げにつながる。各層のニーズに対応するためにも、段階に応じた金融教育が必要だ」としている。

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