LGBT理解の実践例示す 千葉大附属小フォーラムで

片岡校長自身の実践から展開を解説した
片岡校長自身の実践から展開を解説した

千葉大教育学部附属小学校は6月24、25の両日、「学びを楽しむ授業」を主題にした第49回公開研究会を開いた。「授業づくりフォーラム」では、教科の指導アイデアや最新教育事情を提供。性的少数者などの理解に向けた「LGBT」をテーマにした実践事例や提案も示された。

LGBTの理解に向けた学校の指導ポイントや実践事例を説明する講座では、同校の片岡洋子校長が、押さえるべき視点や具体的な授業展開を示した。

電通総研の調査では、LGBTは日本人の20人に1人に存在する。一方、性的少数者に関する基本的な理解は、現状では大人も子どもも未熟。自分がLGBTだと気付いた子どもは、差別やいじめを恐れ、状況を話せずにうっ屈した状況に置かれている場合が多いと、同校長は話す。

そんな状況を問題視し、LGBTの子へのからかいや仲間外しはいじめだと述べる。
LGBTは、▽異常や病気ではない▽身近に少なからずいる▽いじめなどを恐れて黙っている。理解者やいじめない人が必要で、そのためには必要な教育を行わなくてはいけないとした。

こうした教育は、学校や学級にLGBTの当事者がいる場合にだけ行うのではなく、「全ての子どもに実施する」点が重要と強調。子どもや教員がLGBTを正しく知る中で、差別や偏見を克服したいと述べた。

そこで、同校長が同校6年生の道徳に位置付けて実施した事例を解説。授業は、教師自身がLGBTをよく知らなくても、子どもと一緒に学びながら考えていける内容としている。教材は、入手しやすく活用しやすい「NHK for School」サイトから、動画「男らしさ・女らしさって何?」を利用した。指導案やワークシートも併記されて使いやすい。動画では、性における「体」「心」「恋愛」の関係を表した図を載せ、性的多数派と少数派の指向を分かりやすく説明する。合わせて、LGBTの若者が登場し、学校や日常生活での「多数派との違い」「本当の思いが話せない苦しみ」などの悩みを挙げる。後半では、LGBTの若者が違いを肯定的に受け止め、校内で、多くの人にLGBTを理解してもらう活動に関わる様子を取り上げている。

子どもたちは動画を視聴して、LGBTの人々の苦しみに理解を深めた。また前向きに「違い」を理解してもらおうと力を尽くす勇気と、それに応える周囲の理解の大切さを感じ取ってもらえたと振り返る。

動画視聴と個々の子どもの思いを話し合いながら、LGBTの有名人を扱ったり、世界の性的少数者差別をなくす努力などを盛り込んだりした点も報告。「LGBTの理解者が増えれば差別をなくせる」として、周囲にLGBTで悩みを抱えている友人がいたら「否定しないで、悩みを聞き、支えてあげる人になって」とのメッセージも贈ったと話した。

教師が全ての子どもにLGBTの理解を訴えるのは、話しにくい思いでいる子を助け、あらゆる無知や偏見を克服するのにもつながると強調する。

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