熊本地震踏まえ学校施設整備を 防災拠点機能強化で

今後の対応について意見が出た
今後の対応について意見が出た

文科省による「熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会」は6月30日、都内で第2回会合を開いた。大西一史熊本市長が出席し、熊本地震の被害状況を説明した。

東京大学大学院新領域創成科学研究科の清家剛准教授は、防災拠点としての機能強化を「学校にばかり求めるのではなく、自治体の協力が必要」と述べた。

他にも、被災した地域の防災対策や取り組み事例の提示、事務局から示された論点整理案についての議論もされた。
大西市長は「平成28年熊本地震の被害状況と課題」をテーマに話した。

熊本地震によって、熊本市立の全148校園が被災した。児童生徒等の安全確保のため、4月15日には全て休校になった。全校が再開したのは5月10日。

同市ではこれまで、学校施設の耐震化や天井落下防止対策等が進められていた。そのため、倒壊した建物はなかったという。

しかし、中学校4校の一部校舎・武道場と25校(小16、中8、高1)は安全上の配慮から使用禁止になった。

同市では、避難者約11万人のうち、約6万人が学校施設に避難した。学校が地域の防災拠点として重要な役割を担った。

これらの状況から、学校に対し、▽避難者が安心して利用できる災害に強い整備の実施▽多目的トイレ、空調設備および中水道設備等、環境整備――が必要とされた。

また事務局から提示された論点整理案には、熊本地震の被害状況や今後の移設整備の方向性、課題などが記述された。
熊本地震では、最も多いときで366校が避難所として機能していた。これは避難所の約5割を占める。

しかし、学校施設には避難所としての設備が備わっていないため、トイレや電気、水の確保など、さまざまな不具合や不便が発生。

そのため、教委や上下水道等の関係者、地域住民等が連携して避難所に指定されている学校の機能を検討するのが求められた。特に、体育館や校舎、プール等の鍵の管理法の共有が必要とされた。

清家准教授はこうしたニーズについて、「学校にばかりに求めるのではなく、自治体の協力が必要不可欠である」と述べた。

被災地域の取り組みとしては、▽仙台市教委から「地域版避難所運営マニュアル」▽新潟県長岡市教委から「防災センター長や校長等が参加した地区防災センター関係者会議」▽神戸市教委から「防災教育の取り組み」――などが示された。

事務局は「報告書には、震災の対応策もまとめていきたい」としている。

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