極端な例に憤慨の声 いじめ防止対策協議会で

今年度第1回目のいじめ防止対策協議会が開かれた
今年度第1回目のいじめ防止対策協議会が開かれた

文科省による「いじめ防止対策協議会」は6月30日、文科省で今年度第1回会合を開いた。いじめ防止対策推進法の施行状況やいじめの定義の解釈について議論した。

事務局から出された「いじめの成否が問題となる類型の例」について委員からは、例が極端すぎると憤慨する声すら聞かれた。

また事務局からは、いじめ防止対策推進法に関する検討の進め方について案が出された。

いじめ防止等対策については、▽不十分な部分を補強する新たな対策の追加▽学校現場で困難が生じている部分の改善――の観点から、見直しや検討を行っていく。

委員から憤慨の声が上がったのは、「『いじめ』の定義の解釈について」との論点ペーパーをめぐって。この中に、いじめが成立する事象の説明や「いじめの成否が問題となる類型の例」が記述されている。

提示された例は、▽B子がA男の告白を拒絶した場合▽Bが掃除の役割を果たさないAを注意した場合▽ナイフを取り出し脅した場合――など。

これらの例に対して委員からは「極端すぎる」「現実的ではない」との声が相次いだ。例示された「拒絶」も「注意」も、行為としてはいじめとは解釈できない。ナイフによる「脅し」は、もはや脅迫などの犯罪となる。「いじめの成否が問題となる類型の例」とはいえないと、中には、事務局への憤りをあらわにする委員もいた。

事務局は「議論の素材として提示した」と説明し、「今後は適切な事例を出していく」とした。

また文科省による、いじめ防止対策推進法の施行状況に関する教育関係者へのヒアリングの結果が示された。

ヒアリングは、今年3月から6月にかけて実施された。対象は、(1)都道府県・指定都市教委の担当課長・室長・指導主事(2)市区町村教委、学校の管理職(3)私立学校の管理職――など。

それによれば、いじめの定義に該当する事案の報告に関して、いじめに当たるのかどうかを疑問視する声が聞かれ、教育関係者によるいじめ認知への抵抗感があらわれたかっこうとなった。

他には「文科省が示した、認知件数が多いのをマイナス評価としない見解により、いじめの報告をしやすくなった」「いじめは教員の指導力不足で発生するとの一般的な考えを払拭すべき」との声もあった。

東京都港区立御成門中学校の石鍋浩校長は「教員のいじめに対する捉え方に個人差がある」と指摘し、教員研修の充実を求めた。さらに、「いじめは解消して終わりではない。解消後も組織体制で見ていく必要がある」と、いじめが緩解・解消したと見えても、教員は生徒を見取る組織的なまなざしを持ち続けなければならないと力説した。

同協議会は「いじめの防止等のための基本的な方針」(平成25年10月11日文科相決定)に基づき、いじめの問題等に関してより実効的な対策を講じるために設置された。

検討事項は、(1)いじめ防止対策推進法に基づく取り組み状況の把握と検証(2)いじめの問題に取り組む関係者間の連携強化(3)いじめの問題を含めた生徒指導上の諸問題に関するより実効的な対策の在り方――について。

設置期間は、今年6月22日から来年3月31日まで。

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