小児病院に癒やしの時報アニメ プロの助言で高校生が

キャラクターに応じた動作特性を説明した
キャラクターに応じた動作特性を説明した

埼玉県立三郷工業技術高校(長濱稔校長、生徒数645人)は、絵本作家などと協働し、県立小児医療センターで利用者の癒やしとして放映する時報アニメを制作する授業を実施している。7月1日の実践では、生徒たちがキャラクターの特性に沿って動きを付けた動画を放映しながら制作意図を解説。より良い表現に向けて、作家と話し合った。

同授業は、同校情報電子科3年生が課題研究として取り組んでいるもの。協働者には、NHKのテレビ工作番組「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションを担い、ユニット「tupera tupera」として活躍する絵本作家の亀山達也さん、中川敦子さんなどが参加している。

授業前半では、アニメに登場する8体のロボットキャラクターの特性を踏まえ、生徒たちがそれぞれの動きをプログラミングした動画作品を放映。あわせて、自分が工夫した動きのポイントを話した。キャラクターは、楽器がモチーフになっている。

「マラッカ」は、マラカスを模したおしゃれでおしゃべりな女の子。陽気で活発な特性を表現するため、生徒は小刻みで活発な動きを表現した点などを解説した。「ラッパッパ」は、明るく元気なみんなのリーダー的存在。そんな元気な性格を表現するために、生徒はラッパの形をした頭が盛んに上下動するなどと話し、その動きを液晶プロジェクターを通じて大画面で披露した。

生徒のプレゼンテーションを見つめながら、亀山さんと中川さんは「キャラクター特性に応じた動きを表現できているのは評価できる。だが、動きが全体的に単調」と厳しく指摘。「作品には、多くの来院者に癒やしを感じてもらうという大きな使命がある」と、役割の大きさに意識を向けさせながら、「もっと豊かな動作を表現する必要がある」と、プロの立場から重要なポイントを示唆した。

そんなプロの視点を受け止めて生徒たちは、改めて亀山さん、中川さんとの間で改善策を話し合った。細かな動きを突き詰める中で、ドラムの体を叩く「ドラムーチョ」の手の動きが、縁をなでるだけの単純動作になっている点などに気付き、今後の修正点とするのを確認し合った。

全キャラクター共通の基本動作を設定し、共有した上で、個性に応じた表現を考える点なども検討した。

アニメ作品は今秋までに完成させる予定。作品は、今年末に移転し、開院する予定の県立小児医療センターのエントランスホールや待合室に設けるモニターで定期放映する。「ホスピタルアート」として利用者の癒やしにつながるのを願っている。

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