学校施設の改善要望 トイレが1位

学校トイレに関するアンケート結果が掲載された「学校トイレの挑戦2016」
学校トイレに関するアンケート結果が掲載された「学校トイレの挑戦2016」

学校施設の改善要望第1位はトイレ。7割以上が「臭い・汚い」で困っている。改修予算はない――。全国の自治体、公立小・中学校を対象としたアンケートの結果から、そんな状況が明らかとなった。

洋式化がまだまだ進まず、排泄を我慢する児童生徒の存在や、湿式清掃による衛生面への懸念もある。教育環境の整備・保全はもとより、災害時の避難場所となった際の生活基盤としても、学校トイレ改修について、緊要性が浮き彫りとなっている。

学校のトイレ研究会はこのほど、平成27年度に実施した学校トイレに関するアンケート結果を公表。あわせて、21年度の前回調査との比較結果をまとめた。アンケートの対象は、全国の自治体、公立小・中学校教職員。郵送によって実施し、27年度は192自治体、273校から回答を得た。

それによると「学校で児童生徒のために改善が必要と思われるのはどこか」との問いに、教職員の過半数が「トイレ」と回答(複数回答)。21年度は51%、27年度は59%で、いずれも1位だった。

その一方で、自治体は、21年度は「校舎の耐震化」が71%で1位だったが、27年度は「トイレ」が73%で1位に。トイレ改修へのニーズが高く、最優先課題であることがうかがえる。

「学校トイレについて困っていることは何か」の問いには、自治体の7割以上が「臭い・汚い」と回答。いずれの年度も7割を超えており、長年の課題であることがわかる。「改修予算がない」とした自治体は21年度58%、27年度49%だった。

「学校における大便器の和式・洋式の比率はどれくらいか」については、21年度は全体の74%が「和式が多い」だったが、27年度は56%に減少。新築や改修における新設工事では、ほぼ全洋式化が進んでいることがうかがえる。ただし、全体の約6割は現在も和式主体。改修が追い付いておらず、家庭、商業施設、オフィスと比較しても洋式の割合は低い現状だ。

「学校トイレの清掃方法は乾式清掃、湿式清掃のどちらが好ましいか」については、「乾式清掃」とした自治体が21年度は45%だったが、27年度は69%に増加。うち32%が、感染症対策として乾式清掃を実施している。

(公社)空気調和・衛生工学会によると、公立小学校の衛生調査で、多くの大腸菌が和式便器まわりから検出。特に湿式清掃の床は菌数が多いという。

同研究会は「教育環境という足元を見つめ、将来を支える子どもたちの健やかな成長を見守り、災害時には地域住民の生活を支える学校トイレを整備することは必要不可欠」としている。

文科省は、23年度に「トイレ改修を優先した施設整備方針」を発行。改修時の和式と洋式の設置比率や清掃方法については、各設置者・学校において適切に決定していくものとされている。

アンケートの結果は、学校のトイレ研究会サイトで閲覧できる(「学校トイレの挑戦2016」19号)。文科省の「トイレ改修を優先した施設整備方針」は同省サイトに。

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