体験談交えてLGBT理解 NPO法人ReBitが講座

自分自身の経験を交えて語る松岡さん
自分自身の経験を交えて語る松岡さん

NPO法人ReBitは、神奈川県横須賀市の後援で、性的少数者の理解と学校での対応、指導の在り方などを示す公開講座「LGBTってなんだろう?」を7月14日、同市の生涯学習センターで開いた。LGBTの基礎知識や当事者の児童生徒、若者の悩みなどについて、同法人の藥師実芳代表理事が、体験談を交えて説明した。学校では、男女だけで区分された諸施設や男らしさ女らしさの押し付け、LGBTの正しい知識が伝えられていないなどの、LGBTの子どもが抱える困難を指摘。参加した教員に、多様な性の在り方について伝え 、課題克服への理解や努力を促した。

LGBTという用語は、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(体と心の性が不一致)の頭文字を取った性的少数者を表す言葉。

前半は、藥師代表理事が、LGBTや多様な性について説明した。同法人では、セクシュアリティ(性のあり方)を、性器や性ホルモンなどの「からだの性」、自身の性別認識などの「こころの性」、恋愛対象などの「好きになる性」、服装や振る舞いなどの「表現する性」の4要素を踏まえて捉えている。

その見方の中では、実際の性のあり方は、男女だけで二分できず、多様なグラデーションであると指摘する。加えて、LGBTの人は、平成27年4月の電通調査で、日本国内に約7.6%、約13人に1人の割合で存在している。この比率は「左利きの人」などとそれほど変わらず、身近にいるとの実態を押さえた。

後半は、同代表理事と同法人の松岡宗嗣さんが自身の経験を報告。

松岡さんは現在、大学4年生。小学校高学年のころに、同級生の男子にひかれ始め、徐々にゲイを認識したと話す。漠然とした不安を抱え、インターネットで知識を得ようとしたが、LGBTの誤った知識が多く、一層不安を増す結果になったと振り返る。思い悩む中で、勇気を出して大学の友人にカミングアウト。友人からは「宗嗣は宗嗣じゃん」と多様な特性の1つとして肯定的に受け止められ、「とても気が楽になった」と話す。

このような経験から、セクシュアリティは、性や恋愛だけでなく、進路や就職など人生設計にも深く関わる人のアィデンティティの一部だと強調。児童生徒がLGBTの正しい知識を得る機会がないと、▽生き方の指針が持てない▽笑いや侮蔑の対象になる▽自分自身を否定したり、うそをつかなくてはいけなくなったりして、その結果、将来への不安が広がり、自尊感情が低下する――などが危惧されると語った。

LGBT児童生徒の約68%がいじめや暴力を受けたとの、いのちリスペクト、ホワイトリボン・キャンペーンの調査結果に加え、学校教育の中でLGBTや多様な性を知る機会があったと答える生徒が約9%しかいないという同法人の調査結果も挙げた。

その上で、学校でLGBTの正しい知識を伝えたり、教員が正確な理解を深めたりして、朝の会や学級通信などで日常的に啓発する必要があると訴えた。トイレなど男女で分かれた学校施設の利用の工夫や、男らしさ女らしさの押し付けなどへの配慮も示した。

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