次期学習指導要領で審議まとめ案 年内の答申を目指す

「審議まとめ(案)」が示された教育課程企画特別部会
「審議まとめ(案)」が示された教育課程企画特別部会

次期学習指導要領の「審議まとめ(案)」が、8月1日に開かれた文科省教育課程企画特別部会で示された。「社会に開かれた教育課程」の実現を掲げ、アクティブ・ラーニング(AL)の視点から学習過程の改善方策が示された。

小学校では高学年で外国語教科化や「プログラミング的思考」を育成するプログラミング教育の必修化。中学校では義務教育9年間を見据えた資質・能力の育成。高校では高大接続を見据えた高校の国語、地理歴史、公民などで科目再編が行われる。

またALの実施に伴い、有識者からは「学習内容の削減が必要ではないか」との懸念の声があがっていたが、これについては「削減は行わない」と明記された。

8月中には「まとめ」を出す見通しで、パブリックコメントを経て、年内の答申を目指す。

審議まとめ(案)には、各教科ワーキンググループでの審議内容が集約されている。

外国語教科化でモジュール学習

育成すべき資質・能力としては、▽知識・技能(何を理解しているか・何ができるか)▽思考力・判断力・表現力等(理解していること・できることをどう使うか)▽学びに向かう力・人間性等(どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか)――の3つの柱が示された。

これらを育成するために、アクティブ・ラーニングの活用が推進される。これにより、自ら学習に向かう「主体的な学習」、児童生徒同士や教員、地域の人々と協働的に学習する「対話的な学習」、習得した知識、考え方を活用し、問題を発見したり解決したりする「深い学び」の3つの実現を図る。

学習指導要領の柱となる小学校総則については、改善のイメージ案が明示された。総則の第1には、小学校教育の基本として学力の3要素や児童の学習習慣などを求める「生きる力」の理念に基づく知・徳・体の総合的な育成などが盛り込まれた。第2の教育課程の編成では、創意工夫を生かした弾力的な時間割や、全体として調和のとれた指導計画の重要性が記述された。

こうした総則をもとに学校教育の改善・充実の好循環を生み出すために「カリキュラム・マネジメント」を促す。

外国語活動は中学年(3、4年生)に前倒し。週1コマ(45分)で年間35コマの授業数とする。外国語を通じて、コミュニケーション能力の素地を養う。教科化となる高学年(5、6年生)では、年間授業数は、外国語活動の倍となる70時間となる。週2コマを実施する。だが、これ以上コマ数を増やせないのが現状。そこで、1コマを正規の授業として実施するほか、朝の会などの空き時間の10分から15分をモジュール学習(短時間学習)で指導するなどの柔軟な時間割編成も可能とした。授業の目標達成には、定型表現を使い、児童同士で質問したり、それに答えたりできようにする。さらに読み書きの基礎を身に付けさせるとした。

高学年では専科教員の活用も挙げた。小学校全体として、600語から700語の英単語を学習させる。学級担任とALT(外国語指導助手)のティームティーチングの中心にした指導を明示した。

こうした外国語教育、AIやロボットの普及などによる今後のグローバルな「第4次産業革命」に対応するために、プログラミング教育の必修化が打ち出された。

プログラミング教育では、総合的な学習の時間を軸に、体験的な学習を重ねて各教科で具体的に「プログラミング的思考」を育成する方向性を示した。

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義務教育9年間を見据える

中学校では、義務教育9年間を通じた資質・能力の育成を図る。その成果を高校で受け止め、学習課題に応じて学び直しを行うなど、高校における「共通性の確保」を確かなものにしていく必要があるとした。高校への指向性は、高校での新教科・科目構成との接続を含めて重視される。小・中・高校を見通した改善・充実を図るため、グローバル化への対応や政治参加、防災教育、プログラミング教育など、各教科等の課題に応じた教育内容の見直しを実施するとした。

また中学生の思春期特有の多様な課題に対応するためには、教職員や地域の意識を「カリキュラム・マネジメント」を軸に一体化していくのが重要とした。

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高大接続で教科・科目を再編

高校では、高大接続改革を見据え、教科・科目構成(全て仮称)の見直しを行う。

必修科目の中には、外国語で4技能を統合した「英語コミュニケーションⅠ」を設ける。国語科では、実社会での言語活動での能力を育成する「現代の国語」、伝統や文化が育んできた言語文化を学ぶ「言語文化」などがある。

地理歴史科では、これまでの世界史を見直し、世界史と日本史の近現代を融合させた「歴史総合」を新設。「地理総合」では現代の地理的な諸課題について考察する。地図と地理情報システムを活用し、汎用的な能力を身に付ける。

公民科では、選挙年齢が18歳以上に引き下げられたのを受けて「公共」を設置する。社会参画を促し、主権者や消費者としての主体的な判断力を養う。

ICT人材を育成するために情報科も再編する。「情報Ⅰ」では情報モラルなど中学校段階で学習した段階のほかプログラミングや通信ネットワークについて学習する。

選択科目では、理科と数学の要素を統合させて「理数探究基礎」「理数探究」を新設。課題を発見し、結論をまとめるなどの研究過程を評価する。

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