接続詞や助詞の効果に着目 読みの力高める中学生講座

国語の力を伸ばしたいと望む生徒が参加した
国語の力を伸ばしたいと望む生徒が参加した

埼玉県のさいたま文学館では、中学生を対象にした「『読む』『書く』を深める国語講座」と「『詩』の創作をする文学創作講座」を8月2日から6日まで、桶川市の同館で開いている。初日の「読む」を深める同講座には、参加した生徒が接続詞や助詞に着目して詩や文学作品の表現を吟味。見落としがちな言葉の効果を再認識する機会としていた。

同講座には、県内の中学生21人が参加。県教育局の髙原徹主査が講師になって指導した。協調学習によるアクティブ・ラーニングの展開を工夫。生徒が意見交換しながら、協力して課題に取り組む学びを重んじた。

最初は、草野心平の詩「青イ花」が題材。作者はカエルを題材にした詩を数多く作っている。同作品は、水田でカエルに起きたワンシーンを示している。

生徒は作品朗読後、数人グループで協議。「全文、片仮名と漢字で書かれている」「子どもがお母さんに宛てた別れの手紙」など、それぞれが気づいた言葉や表現の特徴について発表した。同講師は、生徒が挙げた気づきから「主人公の『ボク』が何者か示されていない」点を指摘。生徒に、この視点を追究させた。生徒たちは、詩の中の「沼ノ水口ノ」「トンダラ」という言葉を理由に、主人公が「カエル」「虫」ではと想像した。

続いて同講師は、作者がカエルを主題にした詩を多く作っている点を解説し、生徒の言葉への気づきや読みを評価。生徒は同作品がヘビに捕食されている子ガエルの様子をつづったものと知った。

そんな場面の悲劇性にもかかわらず、生徒は詩から悲しみだけを感じない点を共有。理由となる言葉や表現についても追究した。「大キナ青イ花モエテマス」と周囲の美しい自然をたたえる言葉のほか、捕食されようとする中で、母ガエルに向けて「カヘリマセン」と自らの意思をつぶやく点に注目した。

「カヘ『リ』マセン」という言葉の意味の検証では、生徒から「死を受け入れたのでは」「母ガエルを心配させないため」などという意見が出た。同講師は、この言葉が『カへ『レ』マセン』だったら、単に食べられてしまうカエルの悲劇を表すだけになってしまう」と説明。1字の使い方で、他の命の恵みで生きる生命の連環を謳ったメッセージを伝えていると述べた。

生徒には、1字に込めた思いと表現の魅力を強調。今後、文章を何げなく読み進めてしまうのではなく、接続詞や助詞、助動詞の使い方、表現効果を意識してみようとアドバイスした。

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