いじめ防止指針に自分たちの声 中学生サミットで

各学校の取り組み報告から話し合いを深めた
各学校の取り組み報告から話し合いを深めた

東京都八王子市教委は、市立全中学校の代表生徒が集い、いじめ防止に向けた指針を協議する第1回「中学生サミット」を8月3日、同市教育センターで開いた。各学校のいじめ対策や活動を発表し、共有しながら、行動指針づくりに向けた話し合いを深めた。

市で初めての中学生サミットには、37校から74人が参加。同市が今年度末に策定する「いじめ防止条例」を見据え、具体的な行動指針を示す同市「いじめ防止基本方針」の見直しに、同サミットでの中学生の意見が取り入れられる。

前半は10校前後でグループを組み、それぞれの学校のいじめ防止活動を伝え合った。生徒会と学級委員会によるあいさつ運動、いじめをすると自分もいじめに遭うというブーメラン効果を生徒会の生徒が説明する特別授業の例などが報告された。

さまざまな取り組みを検証しながら、さらに効果的な活動にするための改善アイデアなども話し合った。「いじめをなくすためには、全生徒が仲良くなるのが大切。方法として『班学習』の機会を数多く盛り込むのが良い」という意見が出た。「協力して活動する機会を設ける中で、互いの様子や思いに数多く触れられ、仲間の理解が深まる」との意義を示した。

一方、互いに仲良くなる中で、問題行動を指摘しにくくなるケースもあるとの注意点も出た。「親しくても『いじめはだめ』としっかり言い合えないといけない。それが本当の親しさだとみんなで理解する必要がある」などの意見も出ていた。

後半は、各グループ協議の意見を発表。全校での行動指針の在り方を協議した。

生徒会で目安箱を作り、校内の生徒の率直な意見や願いを受け止める取り組みでは、同様の活動を進める学校の生徒から「生の意見が聞かれてとても有意義だと思う」と共感の声があがった。

半面、「投書する生徒は限られている。無関心な生徒へのアプローチが課題」との意見もあった。「書いて伝えるのが得意な生徒もいるが、苦手な生徒もいる。話す方が良い生徒には面談やクラスの話し合い活動の充実も必要」という多様な対応策への配慮もあった。

あいさつ運動の実施では、「あいさつだけでは『いじめ撲滅』は難しいと思う。あいさつをきっかけに、お互いのコミュニケーションを深める流れを作っていければ」などの真剣な話し合いが進んだ。

多様なアイデアを知る中で、行動指針には「意識、行動、話し合いの3点を大事にする内容を押さえるべき」などの意見が出た。

同サミットは、来年度以降も継続する。生徒たちが自分たちの生活を取り巻く課題を主体的に解決していける力を育むのを目指す。市教委は、生徒の自治活動の活性化や、より良い地域づくりに参画する意識醸成も図っていきたいとする。

関連記事