職員室の雰囲気が子どもの学びに直結 仕事の再編成を

「教育の最新事情1」を受け持った勝野教授
「教育の最新事情1」を受け持った勝野教授

女子栄養大学は平成28年度教員免許状更新講習を8月5日から10日まで、同学で開催。教育政策だけでなく、食育と絡めた講習や養護教諭向けの講習など、同学ならではのプログラムを実施する。

「教育の最新事情1」として「世界の教師・日本の教師」をテーマに、東京大学大学院教育学研究科の勝野正章教授が登壇。世界と日本の教員の指導環境と子どもたちの学習環境とのつながりなどについて話した。

同教授は職員室の雰囲気にふれ、先生たちが互いにオープンに話したり交流したりする姿がそこにあれば、その様子は子どもたちの学びの姿に直結すると述べた。

OECDのTALIS(国際教員指導環境調査)2013の結果によると、日本の教員(中学校)の1週間の平均的な仕事時間は53.9時間(国際平均38.3時間)で、TALIS参加の34カ国・地域の中で最長だった。

仕事の内容と所要時間は、▽授業17.7時間▽授業の計画や準備を個人で行う8.7時間▽課外活動の指導7.7時間▽一般的事務業務5.5時間▽同僚と共同作業に取り組む3.9時間▽学校運営業務3.0時間――など。

子どもたちが家庭の悩みや問題などを抱えて学校にやってくるため、教員がその問題と向き合わなければならない状況もみられる。教員の仕事時間と内容を再編成するのが求められている。

同教授は「多忙な中で、先生は自分たちのことを考えてくれているのか、子どもたちは敏感に感じ取る」と述べた。

また「同僚性が大切」と述べ、教員同士で褒め合い認め合い、集団で子どもや授業について相談し合っていくのが必要だとした。

先生たちの学びの様子が子どもたちの学びの様子につながるため、「教員同士で支え合う雰囲気を大切にしてほしい」と語った。

学校・教職員が持てる力を存分に発揮できる条件として、(1)教育条件整備(教育の質の向上と平等の保障)(2)学び合い、支え合う同僚性(3)社会的尊敬――を挙げた。(3)については、「先生たちに対する社会的な信頼がないと仕事ができない」と話した。

受講者からは「勇気をもらった。最近やりづらいと思っていたことがこの講習で分かった」との声が聞かれた。

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