海外の天文台と中継 宇宙を学ぶ特別授業

観測の様子などに理解を深めた
観測の様子などに理解を深めた

神奈川県茅ヶ崎市は、同市で育った野口聡一宇宙飛行士が、宇宙でのミッションを成功させ、無事地球に帰還した日を記念して、毎年8月9日に「ちがさき宇宙教室特別授業」を行っている。今年は同市役所で開催。小学生を中心に315人が参加した。野口さんのビデオレターメッセージをはじめ、ハワイとチリの天文台をインターネットで中継。それぞれの観測所から見える「天の川」の様子や天体の記録を鑑賞しながら、宇宙への興味や理解を深めた。

冒頭は、アメリカNASAで訓練中の野口宇宙飛行士からのビデオレター。「宇宙では、月が昇る様子やオーロラの美しい姿を日々、見つめていました。次のミッションに向けて、みなさんと宇宙の理解を深めていきたいです」などの言葉が贈られた。

国立天文台ハワイ観測所との中継では、同観測所の広報、藤原英明さんが解説を務めた。観測所は、4200メートル以上の標高があるマウナケア山頂にある。設置されているすばる望遠鏡は、本体の長さが25メートル。地表にある望遠鏡で世界最高性能を誇る。天の川を映し出した画像では、はくちょう座の中に星が生まれる暗黒星雲があると説明。こと座には、星が滅びる姿を示したドーナツ状星雲M57があるなどと、高精細な観測写真と合わせて話した。

観測所で仕事をするスタッフについても言及。約100人の職員のうち、天文学者は20%ほど。望遠鏡を動かす技術者やコンピュータ制御を担う人など、いろいろな技術を持った多彩なメンバーが協働していると述べた。
その上で、子どもたちに向けて「みんなも得意を伸ばし、仲間と力を合わせて挑戦をしていってください」とエールを送った。

国立天文台チリ観測所との中継では、現地の阪本成一観測所長が解説した。観測所には66台の巨大な電波望遠鏡が設置されており、多国籍のスタッフが仕事をしているなどと話した。

天の川にところどころ星のない部分がある点については、実際に星がないのではなく、暗黒星雲が星を隠しているからと説明。電波望遠鏡を使う中で、レンズや肉眼で見えない同星雲の背景を明らかにできると述べた。披露した写真には隠れた星の姿がはっきり写っており、優れた能力の一端が示された。

子どもたちは、「太陽系に似た天体を見つけたらどうしますか」「観測で楽しかった点、辛かった点は」などの質問をしながら、美しい天体や観測所の仕事に理解を深め、それぞれ宇宙への興味を高めていた。

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