松野新文科相に聞く 「現場を応援する施策を進める」

教育現場の重要性について語る松野新文科相
教育現場の重要性について語る松野新文科相

松野博一新文科相は8月15日、教育新聞社などのインタビューに応じ、次期学習指導要領や高大接続といった一連の教育改革に関連して、「教育現場を応援するための施策を進めていく」と強調した。

――次期学習指導要領で、全教科にアクティブ・ラーニングを導入する方向だが、そのねらいは。

日本社会がグローバル化していくなかで、自己表現または、オリジナリティーをもった思考をどのように醸成していくのかという教育方法だと考えている。現場の教員のためには、研修を積んでもらうための環境づくりをしていく。

――教員の多忙化については。

今の教育現場は、教員の長時間労働によって支えられている。こうした現状を中長期の視点から見たとき、教育の持続的発展の可能性はどうなのか、担保できるのかと思っている。カリキュラムと教員定数の見直しの両面から解決していこうと考えている。

――文科相として形にしていきたい施策は。

高大接続などの教育改革がある。一番大事なのは、改革が着実に教育現場に浸透することだ。教員の労働環境や児童生徒の学ぶ環境づくりを通じて、改革が教育現場で受け入れられるよう、現場を応援する施策を進める。

日本の高等教育進学率は、OECD諸国のなかで高くない。国際競争力を考えたとき、高等教育に進学しようとする生徒から、その機会が奪われないよう、取り組んでいきたい。経済的な問題がある家庭環境のなかにあっても、学ぶ意志と能力のある生徒が、高等教育の機会を失わないようにしていきたい。そのために、給付型奨学金がある。

――その給付型奨学金については。

すでに閣議決定した経済対策のなかで、平成29年度の予算編成を通じて具体化していくとされている。対象や条件などの設計については、さまざまな意見がある。それらを踏まえて、制度設計について試行錯誤している最中だ。

――不登校児童生徒の多様な学びに関しては。

超党派議連が、議員立法を検討している。現在、不登校児童生徒が約12万人いる。そういった子どもたちの学ぶ場を確保するのは重要だ。まずは超党派議連の動向を注視して対応していきたい。

――熊本地震で被災した児童生徒の心のケアは。

スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用による心のケアは、たいへん重要な課題である。現地の教委と相談しながら進めていきたい。施策の費用については、通常は3分の1の補助だが、国が全額負担できるようにした。

また避難所の多くは、学校の校舎が使われている。学校の安全確保の観点から、さらに耐震化を進めていく。特に非構造部材については、地震によって破損したとの事例がある。そういった部分の耐震化にも、一層取り組んでいく。

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