文化財の英語解説について 文化庁がガイドライン

文化庁は、訪日外国人旅行者に、文化財の魅力を十分に感じ楽しんでもらう環境整備を進めている。その中で「文化財の英語解説のあり方について」(A4判33ページ)と題するガイドラインをまとめた。

文化財の英語解説にあたり、必要な視点と具体的な取り組み事例をまとめた内容。英語解説の改善と充実にあたって、4つの視点と取り組み7事例を収録した。

英語解説の改善や充実にあたっての視点としては、▽日本語を直訳せず、文化財を理解する上で前提となる情報を解説に盛り込む▽外国人の目線に立ち、興味や関心を把握したメリハリの効いた解説内容とする▽案内板やパンフレットなどで適切な情報の書き分けや表記の統一、デザインの見やすさを考慮する▽分かりやすい解説文作成のためには英文執筆や翻訳にあたって優れた人材を確保する。

取り組み事例では、▽神社本庁の「英語で伝える日本のこころBasic Guide」での外国人に配慮した解説方法▽伊勢神宮外宮内「せんぐう館」で利用している4カ国の多言語対応音声ガイド端末についてなどを挙げた。在日外国人を対象に行ったモニターツアーやアンケートについても掲載されている。

日本の歴史や伝統文化を観光資源とし活用していくためには、文化財などの分かりやすい解説の充実や多言語化の整備が必要。文化財保護課などが設置されている地方公共団体の教委、観光部局、および文化財所有者が、文化財の英語解説を行う際に参考となるような指針や優良事例集をまとめるのを目標に、文化庁と観光庁が合同で有識者会議を重ね、このガイドラインを完成させた。

訪日外国人旅行者の状況や今後の課題についてのニーズ調査によると、訪問場所を決定する際に重視する条件として、美しい景観を眺めることや歴史や異文化を体験できることなどが挙げられている(文化庁)。また旅行者は最初の訪日の際には食やショッピング等への関心が高いが、その後、歴史・文化への関心が高くなる(観光庁)。

こうした調査結果を受けて、今後、観光客を増やし、リピーターにするために満足度の高い経験をしてもらうことが今後必要だ。

地域の伝統文化などを学習材とする学校でも、海外からの旅行者などがどこに関心を示すかなどは、国際化の中で、学びの素材となろう。

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