高校生が防災講座で 多様な災害対策や過去の事例学ぶ

地域防災リーダーとしての活躍も期待する
地域防災リーダーとしての活躍も期待する

千葉県は、学校や地域で防災活動に貢献できる人材やリーダーを育てようと、県内高校生を対象にした「防災パワーアップ講座」を8月18、19の両日、千葉市のビジネス支援センターで開いた。生徒は、過去の大震災から効果的な災害対策を学んだり、グループワークでより良い有事対応のあり方を検討したりした。

講座には県内公・私立高校の生徒16人、教員3人が参加。「災害対策とは」をテーマにした講義では、東日本大震災時の県内津波被害などを示しながら、求められる対応力について、同県防災危機管理部防災政策課の岩楯光司さんが解説した。

大震災時、県内では、銚子市からいすみ市までの沿岸部を津波が襲い、旭市では最大7.6メートルの波高を記録。東京湾沿岸や利根川沿いの埋め立て地には広範囲の液状化が発生し、交通機関の停止で約52万人の帰宅困難者が出たなどと振り返った。

その上で、災害には地域性があると指摘。自分が住んでいる地域の特性や災害履歴を知っておこうと話した。個々の有事対応に求められる力では、▽情報収集、整理、分析力▽想像力▽臨機応変で柔軟性がある決断力▽行動力――を挙げた。

減災のためには、自助、共助、公助の力を総合的に高める必要がある点も強調。住宅耐震化や家具の固定、非常持ち出し品の用意などを促す。地域で自主防災組織を編成し、瓦礫を取り除くバールなどの共同購入も行っておきたいとアドバイスした。

過去の災害に学ぶ教訓では、▽大地震時に命を奪うのは家や家財▽津波は遠く高い場所に逃げるしかない▽台風や大雨には早めの避難行動を▽命を守ってくれるのは隣近所▽自分が死なない――を意識しておこうと話した。

多様な状況下で、妥当な判断や行動力を磨くためのグループワークも実施。担当したのは、同課の松上佐和子さん。「防災ゲームクロスロード」と題して、参加者がそれぞれの対応を選択し、その理由をグループで話し合う中で、唯一の正解がない有事対応力を検証していけるようにした。

シチュエーションは、「避難所には何も持たずに避難した被災者が大勢いる。自分で用意した非常袋の中身を分けるべきか」「避難所に避難する際、ペットは連れていくか」など。

津波が10分で到達する集落に大地震が発生した場合、近所の一人暮らしの高齢者の様子を確認するべきかの検討では、スポーツで体を鍛えている生徒が「すぐ確認に向かい、いざとなれば高齢者を背負って逃げる」と話す一方、「津波が10分で到達する場合、時間が足りない。まずは自分の身を守るべき」との意見が分かれた。

講師からは、状況を踏まえた基本的な安全対処として「確認には行かず、まず、自分の避難行動を最優先に」と説明。普段から多様な有事を具体的にイメージして、対応力に磨きをかけておきたいなどと強調した。
翌19日には、応急手当を学び、東日本大震災の体験談などを聞いた。

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