生徒自らできるのは何か 防災隊活動など事例を発表

学校と地域の連携について発表された
学校と地域の連携について発表された

中教審初中教育分科会学校安全部会は8月23日、文科省で第3回会合を開いた。学校安全の取り組みを推進するための学校・家庭・地域の連携の在り方や、通学路安全への効果的な取り組みについて、委員らから発表があった。

特定非営利活動法人スクール・アドバイス・ネットワークの生重幸恵理事長は、コミュニティ・スクールを取り上げ、学校と地域の連携推進について話した。

同理事長は、「コミュニティ・スクールでは、教員や地域、保護者による熟議が大切。子どもたち自身に考えさせる取り組みが必要」と意見を述べた。

ガス復旧操作訓練や水防訓練、総合防災訓練など、東京都杉並区が平成17年度から行っている中学生防災レスキュー隊活動の紹介も。この活動では、生徒が傷病者搬送やAED操作、D級ポンプを使用した放水訓練などを行う。地域の人たちとのさまざまな活動によって「自分たちにできるのは何か、子どもたちが自覚するのが大切」と語った。

小川和久東北工業大学教職課程センター教授からは、通学路安全に関する効果的な取り組みの発表があった。

交通安全教育の新たな定義として「リスクのある道路交通環境への適応を支援するための能力開発」を提示。「交通安全マップづくり」が具体的な教育実践とした。これにより、リスク情報の共有とリスク回避の学習を行っていくという。

具体的には、①危険な箇所を地図に記し情報を共有②危険予測を学習③リスク回避の行動基準を考える――を、みんなで話し合う。これは「交通安全リーダー制度」として、静岡県裾野市や宮城県石巻市で実践されている。高学年児童が低学年児童に学習内容を発表して、還元。地域の人だけでなく、児童同士の交流にもつながっている。

一方で、時間の確保が課題となっている。

同部会では、7月29日に取りまとめられた「熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備について」の概要も、事務局から提示された。

これに関連して、清水哲雄学校法人鴎友学園理事長は、私立学校の耐震化率の低さを指摘し、「公立と私立の学校に通う子どもたちに命の差はない」と述べ、私立学校の耐震化率向上への対応を求めた。

文科省の担当者は「文科省として、しっかり支援していきたい」と答えた。

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