隊士を育んだ地域学ぶ 「新選組ふるさと歴史館」で

同市内外から多くの児童生徒が訪れた
同市内外から多くの児童生徒が訪れた

東京都日野市の市立「新選組のふるさと歴史館」は9月4日まで、夏の企画展「新選組ってなんだろう」を開催している。市とゆかりが深い新選組を題材にした同市の小学校副読本改訂版が今年度、全市立小学校17校に配布されたのをきっかけに実施。隊の生い立ちや活躍を、当時の文献などを公開して解説。副読本に登場するキャラクター選之介がクイズを出し、江戸時代や地域の歴史について理解が深まる展開を工夫している。

展示構成は、副読本の内容に沿って作られている。来館した子どもたちが幕末に活躍した新選組への興味を深め、隊士を育んだ同市との関係や歴史の理解につながるのを願う。

展示の前半は、▽新選組ってなんだろう▽江戸時代ってどんな時代▽江戸時代の日野ってどんなところ――など。児童生徒の関心が高まるよう、新選組が登場する漫画やゲームソフトも。

新選組は江戸時代末期に京都の治安維持に当たり、土方歳三副長や隊士の井上源三郎は同市で生まれ育った。江戸時代の鎖国と幕藩体制による政治の仕組み、当時の日野市には宿場町があった点も説明。宿場本陣を取りまとめた佐藤彦五郎は自宅に剣術道場を作り、ここで多くの隊士が稽古に汗を流した。選之介のクイズでは、この道場の流派や宿場町を通る街道名を尋ねる。

中後半の展示では、▽京都での新選組の活躍▽戊辰戦争と隊士のその後▽明治以降の日野市――。新選組の名を世に知らしめた池田屋事件、戊辰戦争での敗戦と近藤局長の処刑、土方副長の戦死など、隊士の手紙展示と合わせ、隊の変遷と歴史的役割を明らかにする。

明治時代には新選組が賊軍になる中で、近藤や土方をたたえる碑がなかなか建てられなかった点も指摘。一方、多摩地域は自由民権運動が活発化し、養蚕や海外技術を生かした煉瓦産業の隆盛なども進んだという地域史の流れを知る構成も大事にされている。

7月12日から8月末までの夏休み期間中には、約350人の児童生徒が来館。自由研究の課題などに生かしながら、親子で新選組と同市の歴史を学んだ。

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