文教関係予算4兆3638億円を要求 定数改善は3千人増

文科省の平成29年度概算要求が、5兆8266億円になると、8月26日、分かった。文教関係は4兆3638億円で、昨年度予算額に比べて7.6%増となった。公立小・中学校の教職員定数では、定年退職などによる自然減を除いた部分で3060人増とする方針だ。

同省は、安定した教職員定数改善を目指す中期計画「『次世代の学校』指導体制」の推進に1兆5263億円を要望した。義務標準法の改正を視野に、来年度からの10年間で、基礎、加配を含めて公立小・中学校の教員定数を2万9760人増員したい考えだ。その1年目にあたる来年度は3060人増で、義務教育費国庫負担金は前年度比86億円減の1兆5185億円となる見込みだ。

小学校外国語(英語)の教科化など学習指導要領の改訂を見据え、専科指導やアクティブ・ラーニングの視点からの授業改善に580人を増員する。

発達障害がある児童生徒を通常学級で指導する「通級指導」に890人、日本語指導が必要な外国籍の児童生徒の対応に190人を増やす。さらに貧困家庭への学力解消といじめ・不登校の未然防止にそれぞれ400人増とした。

増員により児童生徒1人当たりの教職員数は増える見通し。だが、定年退職による自然減が来年度は約3100人となるため、全体の定数は横ばいになる。

教員給与に関連して、部活動指導業務手当を3千円から3600円へと増額を求めた。

このほか、退職教職員や教員志望者をサポートスタッフとして学校に配置するための派遣事業に、54億円を計上。インクルーシブ教育システムの推進など特別支援教育の充実に162億円を充てる。

高大接続には64億円を計上する。この中には、32年度から実施する「大学入学者希望学力評価テスト(仮称)」のプレテストのための実施体制などの費用が、新たに11億円盛り込まれた。

また無利子奨学金の拡充に1033億円を計上する。基準を満たしているが、予算不足で貸与されず有利子奨学金を借りている「残存適格者」2万4千人を救済するために、その分の貸与人員を増員した。全体で約49万9千人となった。給付型奨学金は12月末までに対象や基準など具体的な制度設計を検討するために、金額を示さない事項要求とした。

学習指導要領の改訂を見据えた教育課程の充実に43億円を計上する。小学校外国語の教科化を受けて、新規事業として小学校におけるカリキュラム・マネジメント研究を設ける。費用は5千万円。

いじめ・不登校対策には77億円を計上。スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)を増員する。また児童虐待のためのSSWを新たに400人充てる。

教育の情報化推進には13億円を要望した。新規事業として「次世代の教育情報化推進事業」が盛り込まれた。教員養成系大学でのICT研修や官民コンソーシアムで教育コンテンツを開発する。

教員の国際交流などを行うG7倉敷宣言プログラムに新たに10億円を投じる。新規となる私立小・中学校の授業負担軽減には、13億円を充てる。

関連記事